米国時間6日、モンタナ州で行われた共和党集会でトランプ大統領は、お家芸とも呼べる自由奔放なスピーチで大喝采を浴びた。しかし、ネット中継を見ていた人々の視線は、大統領の後ろにいた少年が独占していた。
その少年は、大統領のすぐ後ろの特等席に座り、事あるごとにカメラ目線で眉を吊り上げたり、しかめ面をしたりとやりたい放題。目を見開き口パクで「What?(何だって?)」とスピーチにツッコミを入れることも。
Twitterは彼の話題で持ちきりとなり、「#plaidshirtguy(格子縞シャツの男)」というハッシュタグまで作られた。
「君が誰かは知らないが、今や君は私のヒーローだ」
「私たちみんなあなたが大好きだ! ここまで笑ったこと、ここ数年ないよ」
「彼が成人したら、ビールをおごりたい!」
行動からトランプ大統領の支持者ではないことは明かである上、主役であるはずの大統領を差し置いて、“格子縞シャツの男”がネットを席巻していることに広報担当者が業を煮やしたのだろう。女性が彼に近寄り何か囁くと、彼は連れ出され画面に戻ってくることはなかった。
New York Timesがこの男性を特集している。
彼の名はタイラー・リンフェスティ。17歳で、ビリングス・ウエスト高校に通っている。地元にトランプ大統領が来ると聞き、「スピーチを見逃すわけにはいかない」と友人と共に集会に応募した。その翌朝、VIPシートに当選したと報せるメールを受信。リンフェスティは友人と2人で集会へ出向くと、会場では主催者が拍手と喝采を指示してきたという。しかし、彼らはそれに従わなかった。眉を上げたり、ツッコミを入れたりといった行動については、「抗議しようと思ったわけではないんです。あれが彼が言っていたことに対する僕の正直な反応でした」と説明。
会場から連れ出された後、シークレットサービスが彼の身元を照会し、「もう帰れ、戻ってくるな、ととても丁寧に言われました」。トランプ陣営はこの件に関してコメントは避けている。
Twitterだけではなく、新聞社やテレビ局もこぞって彼を取り上げており、今やタイラー・リンフェスティはちょっとした有名人だ。