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時代の空気や、女性の生き方を映し出し、数々の話題を生んできたテレビドラマ。懐かしの名作と共に“平成の30年間”をプレーバック! フジテレビ美術制作局がドラマ制作の裏側を明かしてくれた。

 

【平成前期】バブル崩壊後はセットも“現実的”路線へ――

 

「トレンディドラマ全盛時と違って、『東京ラブストーリー』、『101回目のプロポーズ』(’91年)あたりからは“本当に独身者が住んでいそうな現実感のあるセット”に変わりました。『あすなろ白書』(’93年)では大学のシーンで初めて屋外に景観を作るオープンセットを導入。『ビーチボーイズ』(’97年)の海の家などは適所がなく、一から建屋を作りましたね。人気だった『ロングバケーション』(’96年)以降は、都内でのロケはなかなか困難に。’07年に完成した湾岸スタジオでの撮影や地方ロケが増えました」(フジテレビ美術制作局・以下同)

 

【平成中期】リアルタイムな視聴者の声にできる限りの反応を

 

「平成以降、ドラマはワンクール(3カ月)単位が基本。『北の国から』のように半年も続く作品も昔は普通でしたが、今や何クールもやったら、設定や路線を変更できず、世の中の変化についていけなくなるリスクがあります。『コード・ブルー』のようにシリーズ化することはありますが、一気に続けてやることはありません。ドラマは視聴率やSNSの反応を見て脚本を書き換えたり、美術に手を入れたり、ギリギリまで粘ります。そのぶん、スタッフも大変ではありますが(笑)」

 

【平成後期】技術の進歩で実現可能! リアルなお仕事道具の数々

 

「ITの発展で、美術の技術はかなり進歩しました。小道具だと、缶ビールやペットボトルなどは、ラベルを特殊印刷で作って、お店で売っているようなリアルなものも多数あります。冷蔵庫の中身すべてを特殊印刷で作ることも可能ですね。大道具でも、以前は職人が木材を広げて手間と時間をかけてカットしていましたが、今ではレーザーカッターを使用。映像もぐんと鮮明になっていますから、こまかいところが映ってもおかしいところがないよう作り込んでいます」

 

※フジテレビ公式サイトでは、テレビ美術の舞台裏を紹介する「フジテレビジュツのヒミツ」を公開中。

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