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戦後の沖縄を舞台にした小説「宝島」(真藤順丈著)の勢いが続いている。1月16日の直木賞の発表後、発行元の講談社では18万部を増刷、これまでに22万部を発行した。注文部数は東京、神奈川に次いで沖縄の順で多く、人口比で見れば県内の人気が突出している。

 

那覇市の沖縄県立図書館では直木賞候補に挙がってから10日までに約70件の予約が入った。今予約すると、単純計算では約3年後に手元に届く。新館に移って初めてのヒット作に沸く職員の垣花司主事は「気長に待ってもらうしかない。館内閲覧用が1冊あるので、時間の許す方は利用してほしい」と申し訳なさそうに話した。

 

ジュンク堂書店那覇店では、店内で最も目立つスペースに「宝島」を並べている。直木賞受賞後に1200冊追加注文したが、販売数は既に700冊を超えた。

 

森本浩平店長は「去年の著者のサイン会には10人ほどしか客が来なかったが、18日に著者が来るサイン会はどうなるのか」とうれしい悲鳴を上げる。本屋不況を吹き飛ばすほどの「宝島」の大ヒットに、「正直まだまだ本は売れると驚いた。本屋に足を運ぶ人が増えた」と話した。

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