【沖縄・読谷】“根尾フィーバー”が止まらない―。プロ野球中日ドラゴンズ2軍が春季キャンプをしている沖縄県読谷村の平和の森球場に連日、県内外からファンが殺到している。高校野球で2度の春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭で注目され、昨年にドラフト1位で中日が獲得したスーパールーキー根尾昂内野手(18)を一目見ようと平日でも1日平均500人、週末には1200人が足を運んでいる。
根尾の沖縄キャンプ限定ユニホームやキーホルダーなどの関連グッズも売り切れが続出しており、石嶺伝実読谷村長は「球場に訪れるファンの数は前代未聞の多さ。村にとってはうれしい悲鳴」だと話す。
村によると、選手や監督との交流も楽しめる「りっかりっかいちゃびら祭」が実施された9日には延べ4千人が来場したほか、10~11日の連休もそれぞれ千人以上が訪れた。
球場の内野スタンドに設置されているグッズショップも盛況だ。キャンプインに合わせて300枚用意した根尾の沖縄キャンプ限定ユニホーム(6千円)はわずか数日で完売。8日に100枚を追加発注したがそれでも追いつかず、村観光協会には入荷の問い合わせが寄せられている。
同協会の比嘉等事務局長によると今季の来場者数は例年の4~5倍で、グッズの売上額も昨季の1カ月分をわずか開幕から3日で達成するなど経済波及効果も絶大だ。根尾をはじめ大島洋平や浅尾拓也コーチなど、今季は人気・注目度の高い選手らが読谷に集結したため、熱狂的ファンだけでなく幅広い層の来場につながっていると分析する。比嘉事務局長は「ドラゴンズを通して読谷の魅力がもっともっと全国に広がってほしい」と期待を寄せた。
根尾を目当てに約10年ぶりにキャンプ地へ足を運んだという地元・読谷村出身の伊敷久子さん(41)=那覇市=は「選手との距離の近さやファンの熱気に驚いた。これを機にドラゴンズのファンになりそう」と笑みをこぼした。
(当銘千絵)