浦添市が「性の多様性を尊重する社会を実現するための条例」策定を進めている。同性パートナーシップ証明や性別による差別の禁止などを盛り込んだ包括的な内容で、2020年春の施行を目指す。性の多様性の尊重に特化した条例は全国初という。市は条例制定により、LGBTなど性的マイノリティーに関する市民の理解の深まりを期待する。26日、琉球大学法科大学院が市に素案を提出した。
同市は17年1月、「レインボー都市うらそえ宣言」をし、LGBTなど性的マイノリティーに関する講演会などを実施した。同年10月には同大学院と「性の多様性の尊重」に関し連携・協力協定を締結。条例策定に向け協力依頼していた。
素案は同性カップルを結婚と同等の関係と認めるパートナーシップ制度創設のほか、採用・待遇・昇進などでの配慮、性別による差別や暴力・ハラスメントの禁止―などを盛り込む。
26日、同市の市民協働・男女共同参画ハーモニーセンターで素案の手交式があった。同大学院の清水一成院長から手渡された松本哲治市長は「性の多様性の尊重は市民一人一人の人権を尊重することであり、相互理解と共存意識を高める。理念の実現に向け条例制定に鋭意取り組む」と強調した。
同大学院の矢野恵美教授によると、東京都渋谷区と国立市が男女共同参画に絡み、性の多様性に関する条例を制定している。一方、浦添市は性の多様性に特化した条例を策定する方針で全国に例がないという。市は今後、市民への啓発や条例案に対するパブリックコメントを実施する予定。
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