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「テレビで言いたいことを言っても嫌われないのがすごい」と、カンニング竹山(47)を以前から高く評価していた美輪明宏さん(83)。その竹山と異色の対談が実現。幅広く活躍する才能を持つ大先輩が、竹山に授けたアドバイスとは?

 

美輪「私と対談するなんて、不思議だと、そうお思いにならなかった?」

 

竹山「はい。最初マネージャーから話を聞いたときは驚きました。でも、“美輪さんと対談するんだ”と妻に話したら、“美輪さんって、あの美輪さん? なんで? 間違ってるんじゃないの!”って。いちばん驚いていました」

 

美輪「“惚れられてるらしい”って言えばよかったのに(笑)」

 

竹山「いやいや(笑)。初めてお話しさせていただいたのは、美輪さんがレギュラー出演されている『ありえへん∞世界』(テレビ東京系)にお邪魔したときです」

 

美輪「もう7~8年ぐらい前になりますね。ところで、竹山さんをはじめ、最近はいろんなお笑いの人たちが、学者さんたちと同じようにコメンテーターとしての扱いも受けていますね。コメントもロジカルで、ふさわしい発言をなさっています。その中でいちばん目立つのがあなたですよ」

 

竹山「ありがとうございます」

 

美輪「政治、経済に関連する読み物を注意して読んだりされていらっしゃる?」

 

竹山「本も読みますし、新聞もインターネットで6紙ぐらい買って、ザッと見ています。世の中で何が起こっているか。新聞によって書き方も違う。そういうのを見比べて読むのも面白い」

 

美輪「右寄りや左寄りとか」

 

竹山「テレビでいろいろ言うときって、いろんな方が見ていらっしゃるわけですから、あまり偏りすぎないように常に中道でいなければいけないと心掛けているところはあります。その中で、右や左じゃなくて、おかしいものはおかしいと言うようにしています」

 

美輪「奥様は何ておっしゃってる?」

 

竹山「妻は意外と反対してますね。コメンテーターとかをやらずに、お笑いだけをやってほしいと思ってるんだと思います」

 

美輪「やはり、できれば波風を立てないでいてほしいのでしょう」

 

竹山「そうですね。僕はまったくその気はないですけど、もし立候補したら妻は離婚するって言ってます(笑)」

 

美輪「政界からそういう要請があるのですか?」

 

竹山「要請はちょこちょこ。話が遠回りで来たりはするんですけど、ぜんぜん興味がないですから」

 

美輪「政治家になったらお終いですよ」

 

竹山「好きなことも言えなくなりますから。ところで美輪さん! 僕はこのままのスタンスでやってていいんでしょうか(笑)」

 

美輪「お笑い芸人だからとか、コメンテーターだからとか、別にジャンル分けしないほうがいい。まったく自由でいいと思います」

 

竹山「世間の流れがジャンル分けするようになっている気がする半面、僕は僕だから、分けられるのが嫌だと思ったりして……」

 

美輪「ジャンル分けなんて、全然無視したほうがいいです。そういうことを言いだしたら、私なんかジャンルはめちゃくちゃですから」

 

竹山「(笑)。歌手だし役者だし」

 

美輪「演出家でしょ、舞台美術をやって、衣装も音楽も担当して、作詞・作曲もやる。歌い手としてシャンソンを歌い、クラシックの曲も歌う。役者としてチャンバラもやるし、女形もやる。そうかと思ったら、身の上相談もやる。もうめちゃくちゃでしょ?(笑)」

 

竹山「美輪さんにもおっしゃっていただいたので、これからもいろんなことに自信を持って、やる人になります」

 

美輪「それをおやりになれるのだから、存分に羽を伸ばしておやりになったほうがいいんじゃないですか」

 

竹山「仲間から“おまえは自由に何でもやれていいな”ってたまに言われるんです。それはそれで言われるとうれしいんですけど、自分自身でそれが見えていないことがあって、“俺はこのままでいいんだろうか?”と思うことがあるんです。でも、今日美輪さんとお話しして、このままでいいんだなと確信しました!」

 

美輪「根本的に人柄がよくないと続かない。人柄の悪い人は見透かされます。あなたは人柄がいい。だから、キレ芸で怒りの竹山というのは、結局営業用でしかなかったのよ(笑)」

 

竹山「そんなはっきりと言われても……。自分ではわからないところがありますけど、あと20年ぐらいはまともに頑張りたいと思っていますから」

 

美輪「自然体で“望まれればやれますよ”というスタンスで、これからもおやりになればよろしいと思いますよ」

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