NHK連続テレビ小説『まんぷく』で「ユーアー ビッグビッグ ライスカレー、オッケー」と、めちゃくちゃな英語でオーダーを確認するのが、喫茶店「パーラー白薔薇」のマスター・川上アキラ。そんなマスターのボケに、鋭くツッコミを入れる妻のしのぶ。毎朝のように繰り広げられる、まるで夫婦漫才のような掛け合いが、あと少しで見られなくなる……と、早くもロスに陥りかけている人も多いのでは?
2人を演じる加藤雅也(55)と牧瀬里穂(47)に、名物キャラの誕生秘話を聞いた。
加藤「『まんぷく』の撮影楽しかったね」
牧瀬「はい。私は久しぶりのドラマだったので、最初に現場へ行ったときは、知っている役者さんばかりだ、って興奮しました(笑)。関西弁には最後まで悩みましたが……」
加藤「いやいや、完璧にやってたじゃない。関西に住んでる辛口の友達が『関西の役者さんみたいに見える、オッケー』って言うてたし」
牧瀬「本当ですか? うれしいです。朝ドラの影響力はすごいですよね。私の周りにも『ユーアー○○、オッケー』って言われたい人がいます」
加藤「娘(8歳)の同級生からも言われたりする。変な英語なのに(苦笑)。アキラって人は変わり者だし、アメリカに憧れていた人だから、面白いかなと思ったんだよね。NHKにもちゃんと『間違った英語だけど大丈夫ですか?』って確認取ったし」
牧瀬「『パーラー白薔薇』のシーンは遊び心がいろいろあって、お店に飾ってある私たち夫婦の昔の写真も、3パターンあったんですよね」
加藤「牧瀬センセイ、楽しそうに着替えて撮っていたみたいで」
牧瀬「いえいえ、兄さん(加藤)がノリノリだったって聞いていますよ(笑)。世良さん(桐谷健太)との掛け合いも、仲よしの友達みたいで楽しかったです」
加藤「健太はどうボケてもちゃんと返してくれるから、アキラのキャラが濃くなったのはそのせいもあるのかな」
牧瀬「ラストでは、私たちの結末もきちんと描いてくれてましたよね」
加藤「長年連れ添った夫婦だからこそ出てくるいいセリフもあったね。打ち上げも今まででいちばん楽しかったな」
牧瀬「2次会で若いADさんが松坂慶子さんの『愛の水中花』をモノマネをしながら歌いだして」
加藤「それを受けて、松坂さんも歌ってくれたもんね。鈴さん(ヒロイン福子の母)役も見事だった。立派なコメディエンヌを演じていらして」
牧瀬「本当、すごいです。大先輩だけど、素顔もかわいい方で」
加藤「牧瀬センセイも、役を離れるとめちゃくちゃ若くてびっくりした」
牧瀬「現場では、『いつ老眼鏡にする?』なんて2人で相談したりしてましたけど(笑)」
加藤「女優さんはキレイなままがいいけど、男は太ったら太ったで味になるし、禿げたら禿げたで個性になる。禿げたりしないように努力はするけど。いつまでも若い顔して『おっさんベイビー』みたいじゃ、おかしいでしょ」
牧瀬「フフフ、その表現、面白いです。うちの旦那さんはテレビをほとんど見ない人なんですけど、家に置いてあった『まんぷく』の台本を見つけて“あ、『まんぷく』だ、すごい!”って。萬平さんのいつまでも夢を追いかける姿勢に引かれるみたいです」
加藤「そうだよ。僕らもいろんな新しいことやっていこうよ。2人で吉本新喜劇の舞台に出るとかさ」
牧瀬「えー! 役づくりのために毎週見てましたけど、すごい世界ですよね。これ見て育つと兄さんみたいな“お笑い魂”の人になるんだ、って納得したけど(笑)」
加藤「牧瀬センセイも、関西魂バリバリのしのぶちゃんを演じきったから大丈夫。出るなら今年だよ!」
牧瀬「あー、また緊張してきました(笑)」