ガーブ川中央商店街組合のごみ箱に不法投棄されたごみ。バケツが全く見えないほどごみがあふれ、隣の店の前にはみ出している=3月、那覇市の水上店舗(同組合提供) 画像を見る

 

那覇市のまちぐゎー(商店街)や国際通りでごみの不法投棄が深刻な問題となっている。水上店舗の入居事業者でつくるガーブ川中央商店街組合のごみ捨て場には、昨年から組合員以外の事業所ごみや家庭ごみの不法投棄が増えている。本来はバケツ二つに収まるはずが、店舗前にまであふれたこともある。国際通りではタイヤや家電なども捨てられ、観光客らが座るベンチのそばに捨てられたことも。那覇市国際通り商店街振興組合連合会は「この状況が悪化すれば修学旅行生や観光客が来なくなる」と危惧している。

 

ガーブ川中央商店街組合のごみ捨て場への不法投棄は、飲食店から出たとみられるごみが多い。市は、飲食店が営業許可を得るために受ける食品衛生講習会で、ごみ回収業者と契約するか自ら処理施設に運ぶよう周知しているが、順守が徹底されていないのが現状だ。同組合は回収業者との本来の契約金に加え、別途料金を負担して回収させている。4月にごみ捨て場に鍵付きの扉を設置して若干改善したが、扉の前で不法投棄が続いている。今後、防犯カメラを設置する予定だ。

 

国際通りに不法投棄されたごみは、道路を管理する県南部土木事務所が道路法に基づき撤去を促すシールを貼る。その後、1週間をめどに歩行者らに影響が出ないよう片付けている。通り会や警察と連携し、不法投棄した者を特定して引き取らせた事例もある。それでも不法投棄は後を絶たず、市国際通り県庁駅前商店街振興組合は4月から月2回、独自の清掃活動に取り組んでいる。

 

市廃棄物対策課は不法投棄があった場合、近隣事業所のごみ処理状況を調査、指導している。4月18日~5月15日に調査で事業所を訪問した件数は53件に上り、対応に追われている。

 

第一牧志公設市場周辺でも昨年は不法投棄があり、仮設市場に移転する際にごみ保管庫を造る予定だ。(伊佐尚記)

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