スウェーデンの芸術家マリン・スコグランドさん(44)が自国の奨学金制度を利用し、芸術活動につなげるために沖縄で琉球舞踊やコンテンポラリーダンスを学んでいる。沖縄の自然や文化に魅了されたスコグランドさんは「琉舞で新しい動きを学べた。これからの新しい作品に生かしたい」と手応えを実感。今後の創作活動に生かし、将来的にはスウェーデンや沖縄で公演する夢を抱く。
スコグランドさんは沖縄科学技術大学院大学(OIST)で研究科長を務める父のウルフ・スコグランド教授が2010年に沖縄に赴任したことで、初めて来沖。これまで4回訪れている。
スウェーデンとは違う海や水に囲まれた湿潤な気候、独特な文化に引かれ、自身の芸術活動に生かそうとスウェーデン政府の「日本の社会研究奨学金財団」に応募し、奨学金を得ることができた。
琉球舞踊は島袋流千尋会の島袋君子家元から学び、組踊も鑑賞、コンテンポラリーダンサーの平良彦太さんと面談し創作活動に向けて調査、沖縄の要素を作品に加えスウェーデンの人々に沖縄へ関心を持ってもらいたいという。作品ではOISTが県内各地で録音した自然の「音風景」(サウンドスケープ)を使うことを検討している。
28日はOIST職員のクーパー・マイケルさん(48)、知念亜美さん(36)の協力で通っている島袋さんの琉舞練場で稽古に励んだ。
島袋さんは「踊りを覚えるのは早いし、研究熱心だ。負けてられないね」と笑う。見よう見まねで懸命に琉舞を身につけようとするスコグランドさん。「琉舞そのものは難しいが、自分の芸術表現に取り入れたい。沖縄文化で深みや多様性を取り入れたい」と話し、創作に意欲を見せている。(仲村良太)
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