久米島まで約100キロの「島渡り」に出港した糸満帆掛サバニ振興会のメンバーら=11日午前9時すぎ、糸満漁港 画像を見る

 

【糸満】沖縄の海洋文化の素晴らしさを伝えたい―。帆掛サバニを横並びにして柱や綱でつないだ糸満帆掛サバニ振興会の「組舟(トゥヤーシブニ)」が11日午前9時すぎ、糸満漁港を出港した。13日までの間に渡嘉敷島、渡名喜島に寄り、久米島までの約100キロを航海する「島渡り」に挑む。同振興会のメンバーら10人が息を合わせてこぎ、途中で高波に苦しみながらも約4時間がかりで無事に渡嘉敷島に到着した。

 

糸満帆掛サバニ振興会は、かつて島と島を結び、離島住民の足として使われていたサバニの歴史や文化を伝えようと、「島渡り」を初めて企画した。

 

サバニ大工で同振興会の大城清会長(69)は「サバニ文化の理解を広げる機会にしたい」と航海の意義を強調した。船長を務める高良和昭さん(46)=糸満市=は「島の子どもたちにサバニの伝統文化と楽しさを伝えたい」と抱負を語った。

 

12日は渡嘉敷―渡名喜間、13日に渡名喜を出港し、午後1時に久米島到着を目指す。それぞれの島で子どもたちの乗船体験を企画している。

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