県は28日、2019年度県行財政改革懇話会(会長・佐藤学沖縄国際大教授)を県庁で開き、2年目を迎える「県行政運営プログラム」の18年度の推進状況について意見を交わした。県が「順調」と評価した職員や教員の働き方改革を巡り、委員らからは「民間では通用しない」などと厳しい意見や抜本的な改善策を求める声が上がった。
県は行政運営の質を向上するため、昨年度から県行政運営プログラムの取り組みを始めた。県民視点、組織運営、財政運営の3分野29項目の進捗(しんちょく)状況を評価。「公の施設の在り方見直し」「県立病院の経営安定化」など4項目を「やや遅れ」とした。
一方、県が「順調」と評価した「働き方改革と職場環境の整備」に対して冒頭、委員らから意見が相次いだ。県が示したデータによると、月60時間を超える時間外勤務をした職員数は、18年度は年間延べ746人に上り、目標値の650人以下を96人超過した。
沖縄経済同友会常任幹事の小林文彦委員は(川崎重工業沖縄支社長)が仕事量に偏りがあるのかを聞くと、県の担当者は実人数では300人程度と回答した。これに小林委員は仕事量が偏らないような工夫が必要だと指摘した。民間では一定の残業時間数を超えると産業医面談が義務付けられているなどの規定も紹介し、改善を促した。
連合沖縄会長の大城紀夫委員は管理職の勤務管理が十分ではないとして追及し、危機感を示した。県立学校で導入された教員のタイムカードを市町村でも早期に導入することや、小中学校教員の勤務実態の把握と情報提供も求めた。
このほか、県平和祈念資料館と八重山平和祈念館の管理の在り方の検討と中長期運営計画の策定に向けた作業の遅れについて委員から質問があった。
県の担当者は、入館者数が減少し、修学旅行生の訪問と滞在時間が短くなっていることも踏まえ、沖縄戦の実相の継承に向け、部を挙げて課題の検討を進めると述べた。