国立公文書館が公開した学徒名簿 画像を見る

 

沖縄戦に動員された学徒の名前や部隊名、住所などを示した厚生労働省の「学徒名簿」がこのほど国立公文書館で公開され、資料を確認した那覇市立松城中学校の大城邦夫教諭が12日、報道陣に公表した。資料には、これまで実態解明が進まず、動員数や犠牲者数が「不明」とされてきた私立開南中学校の学徒71人の名簿も含まれていた。開南中の動員学徒数が公的な資料で初めて示された形だ。

 

資料にあるのは主に県立一中、三中、農林学校、私立開南中学校の名簿で、学徒が亡くなった場所や所属部隊名、住所や家族の名前などが記載されている。作成時期は不明。そのうち、開南中学校は71人分の名簿があり、13歳で動員され、犠牲になった人もいた。一方、開南中の同窓会の調査では、動員されて犠牲になった人数は190人だとしており、今後、資料が作成された経緯や実態解明が求められる。

 

さらに、開南中の犠牲者の名簿と共に、従来は学徒の区分にはなっていない「名護青年学校」や「通信講習所」の名簿もあり、それぞれ1人ずつ名前が記載されていた。名護青年学校の名簿に「未帰還者」として記されている「真栄城守計さん」は第32軍司令部(球1616)に所属していた。

 

一方、資料によると一中は600人が動員され、249人が死亡し、生存者は341人、状況不明10人との記載があった。一中の卒業生でつくる「養秀同窓会」のまとめによると、動員数は463人で、死亡者は257人としている。今回公表された資料とは動員数などで大幅な違いがある。

 

学徒について詳しいひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長は、取材に対して「動員数などは多い気がする。だが、貴重な資料だと思う。今後調査を進めてみたい」と語った。

 

資料は2017年に厚労省から国立公文書館に移管したものとみられる。大城教諭は今年8月に資料を請求し、個人情報が含まれるため「要審査」となったが、9月ごろから順次公開された。

 

これまでも沖縄戦に関する資料を収集してきたという大城教諭は今後、沖縄戦に動員された県内21校の元生徒らでつくる「元全学徒の会」などに資料を提供していく考えだ。大城教諭は「今回発見した資料を遺族や県民のために生かしたいと思って公表した。教育現場でも、生徒に年の近い人たちが亡くなったことを伝えて考えてもらいたい」と語った。

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