県内各地の染め織物を活用したクリスマスツリーの完成イメージ図(セイタロウデザイン提供) 画像を見る

 

琉球紅型の普及・伝承に取り組む「琉球びんがた普及伝承コンソーシアム」とソフトウエア開発などのokicom(オキコム)が、沖縄伝統の染め織物を活用したクリスマスツリーを那覇空港に設置する企画を進めている。ツリーには、国の伝統的工芸品に指定される県内8産地の染め織物を使用する。沖縄の玄関口となる空港に設置することで、県民や観光客に沖縄の歴史や文化を周知する。

 

ツリーには久米島紬(つむぎ)、宮古上布、読谷山花織、琉球絣(かすり)、首里織、喜如嘉の芭蕉布、琉球紅型、知花花織を使う。各産地から取り寄せた染め織物を、高さ約6メートルのツリーに巻き付けるようにして飾り付ける。電飾を施して夜間でも鮮やかに浮かび上がるようにする。染め織物が風になびくように工夫しており、日中でも雰囲気を味わえる。国内外で活躍する芸術家の山崎晴太郎氏がデザインを担当した。

 

ツリーは那覇空港連結ターミナルにある「ふくぎホール」に設置する。那覇空港ビルディングの担当者は「ふくぎホールを多くの人に知ってもらい、周辺の飲食店や店舗に足を運んでもらう機会になる」と期待を込める。12月上旬にツリーの点灯式を行い、1月中旬までの展示を予定する。使用した染め織物を紹介するパネルも設置して、沖縄の伝統工芸品に関する知識を深められるようにする。

 

琉球びんがた普及伝承コンソーシアム事務局長で、オキコム常務の小渡晋治氏は「伝統工芸品を知ってもらい、沖縄を感じ、楽しめる仕掛けをつくりたい。伝統工芸品を広めて、日常生活でも使ってもらえるようにする」と目標を掲げた。

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: