新種と判明した「チュラウミカワリギンチャク」(沖縄美ら海水族館提供) 画像を見る

 

【本部】沖縄県本部町の沖縄美ら海水族館で約15年間にわたり飼育・展示しているイソギンチャクが、クローバーカワリギンチャク属の新種であることが今月、同館などの研究で判明した。同属は1918年の新種記載以来101年間、1種のみの希少なグループと考えられてきたが、今回の発見で1属2種となった。水族館の名称にちなんで「チュラウミカワリギンチャク」と命名。館内の「深海の小さな生き物」コーナーで展示している。

 

同館と東京大学大学院、千葉県立中央博物館、国立科学博物館などのチームが今月9日、日本動物学会の学会誌に新種記載論文を公表した。

 

同館によると2004年に石垣島沖で捕獲した約10個体を飼育し、ヤツバカワリギンチャク科のイソギンチャクとして展示することもあったという。この個体と、18年に沖縄美ら島財団の小型無人潜水艇を使って恩納村沖の水深320メートル付近で捕獲した個体を標本化して分析した結果、新種と判明した。

 

既知の種と比べて体長が3~5倍の20センチ超に成長するほか、触手の数が倍の300~400本あるという。魚類課深海展示係技師の東地拓生さん(35)は「沖縄周辺の深海はまだまだ調査の手が及んでいない。今後も新種の発見が期待できる」と話した。

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