衝撃的だった“美輪明宏さん入院”の報。しかし、やはり美輪さん。本誌に「不死鳥のように蘇ります」と語った言葉どおり、よりパワーアップして戻ってきました。9月の脳梗塞入院から3カ月ーー美輪さんがプラス思考になる発想の転換法を語ってくれました。
■首が前に垂れると、冷静な判断ができなくなる
このたびは多くの方々から心配のお手紙やお電話をいただき、心より感謝申し上げます。でも、もう大丈夫。安心してください。私は不死鳥ですから(笑)。
高齢になると誰しも筋肉が衰え、足腰が弱ってきます。そして背骨が曲がったり、姿勢も猫背になって首が前に垂れるようになる。こうなると、だんだん物事を冷静に判断できなくなっていくんです。
背骨が支えて居る首の後ろのほうを、できるだけまっすぐ上に持ち上げるように姿勢を正せばイライラが減ります。
無意識のうちに首が前に垂れて、肩が前肩、巻き肩になっていることもあります。そういうときは、両肩を開き、おなかを引っ込める。そして左右の肩甲骨を後ろでくっつけるようにして顎を引く。そうすると呼吸が整い、感情的になっていても、ス~ッと理性が戻り気力も湧いてきます。
マイナス志向になっているときというのは、ふと気づくと猫背になっている、そういうケースが実は多いんです。最近は年配の方だけでなく、若い人たちも首が前に垂れて猫背気味の人が多いですね。その原因はスマホです。
長時間スマホを使用していると、どうしても首が前に垂れて、猫背になる状態も長くなる。そして視線が斜め下に向いている時間も長くなって、知らず知らずのうちに日常的に視線が下向きになってしまう。そして思考まで下向きになってしまうわけです。
習慣的に視線を自分の目の位置と同じ高さ、あるいはそれ以上の高さで見ようとしなくなっている人が多いと思います。街を歩いている人たちを見ていても、だいたい斜め下か下を向いていますよ。
本来は、背筋と首を伸ばして姿勢を正し、視線は自分の目の位置よりやや上を見るようにするのが理想的です。真っすぐ前を見るよりも、日常的にやや上を見るようになれば、理性的で知性的な生活が送れると思います。呼吸も整い、血圧もスーッと下がってきます(笑)。
人生にはよいことと悪いことがある。プラスとマイナスを数えていくと半分半分ですーー。
今は悪いことばかりを考えるネガティブ志向に陥りがちな世の中だけに、マイナスからプラス志向になる発想の転換が、必要とされているのです。そういうときに、会話の中に“ルンルン”を入れてみる。フッと雰囲気が変わりますから、怒っているときに、“ふざけるんじゃない! ルンルン”と言うと、怒っていることにならないでしょ(笑)。
とにかく感情的にならないことが大事です。そのために姿勢を正して理性を保つ。目線を上げて前向きに。これが、健康と希望を生み出す秘訣になります。
「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載