「この作品に参加できたことがすごくうれしいんです。主演は私が女優を始めたころからお付き合いのある石橋蓮司さん(78)。大人になりきっている人たちの老いとか腐れ縁をテーマにした映画です」
そう話すのは、映画『一度も撃ってません』(近日公開予定)で、元ミュージカル女優を演じている桃井かおり(69)。
来年で女優生活50周年を迎える心境を尋ねると「え? もう50年!? 怖いわね」と笑い飛ばした。さらには来年4月の誕生日には70歳を迎える。
「節目の年なので“けじめ”として(監督)3作目の映画を撮ろうと思っています。年を取るっていうことがどういうことなのかが体感できる作品を。自分は25歳のときに、60歳になったら、日本を離れていたいな、とか映画を作っていたいな、と思っていました。若いころから自分の中でシミュレーションしていたんですね」
未来予想図どおり、54歳でアメリカで仕事を始めてから現在はLAに拠点を移し、日本と行き来しながら世界各国の映画に出演している。
「アメリカで仕事を始めるまでは、女優を辞めてもいい、いや、もう少し頑張ろうかな、と中途半端な感じでした。でも、アメリカに行ったら、一度リセットされて女優業を再開させられたんです。今まで積み重ねてきたことをもう一回やり直せる、という理想的な展開で。人生、まだまだこれから楽しみますよ!」
「女性自身」2020年5月5日号 掲載