世界的に巣ごもり態勢の渦中、快進撃を続けるのはネトフリことネットフリックス。全世界加入数が1億8,000万人以上、’20年1~3月の純増会員数1,500万人以上。アメリカの映像配信サービスでナンバーワン企業だ。
ネトフリのオリジナルシリーズはすべて、1シーズンまとめて撮影しているため、作品がリリースされると、1シーズンまとめて見られるという、それまでの新作ドラマではありえなかった手法がとられた。
また、テレビで放送するときは厳しい制限があるものの、ネトフリの場合、その制限がゆるく、過激な表現やセリフ、描写もOK。しかもCMが入らないため、1話あたりの尺を制限されることもない。
これは見る側にも刺激的かつありがたい体験だが、喜んだのはクリエーター側。’10年代、ハリウッドで製作された映画は、シリーズものか原作ものばかりということを考えても、ヒットの見込みが不透明な企画は金回りがよくなかったことがわかる。
そこにきてネトフリの自由度は、クリエーターたちには魅力的だった。そのため、ハリウッドで大作映画を手がけてきたクリエーターや俳優たちがこぞって参入。作品の質が格段に向上していった。
そんなネトフリだからこそ作れた「見逃せない傑作」をご紹介。
■映画『タイラー・レイク-命の奪還-』
犯罪組織のボスの息子が誘拐され、スゴ腕の傭兵が救出作戦に向かうが……。配信されたばかりの大作映画。『アベンジャーズ』の主要スタッフが集結し、マイティ・ソー役のクリス・ヘムズワース主演で実現した。
■連続ドラマ『ザ・クラウン』
25歳の若さで女王となったエリザベス2世が、激動の20世紀後半をどう駆け抜けたか、現・英国女王が即位してからの苦悩と葛藤の時代を描くドラマ。1シーズンあたりの制作費が100億円を超える!
■連続ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』
ネトフリ初のオリジナル作品。アメリカ政界をとりまく人々の金満、汚職、フェイクニュースなどの闇を描くシリーズ。幅広い層から大人気となり、シーズン6まで製作された。主演はケヴィン・スペイシーとロビン・ライト。
■映画『最後の追跡』
銀行強盗の兄弟の逃走を描くクライム・サスペンス。人間ドラマとしての側面が強く、アカデミー賞では作品賞にもノミネートされた。W主演は『スター・トレック』のクリス・パインと、アカデミー賞常連のジェフ・ブリッジス。
■連続ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
アメリカの田舎町を舞台に、秘密の超能力研究所とその周辺で起こる不思議な事件を描くSFシリーズ。クリエーターや主演陣は、これを機に大ブレーク。’80年代アメリカのカルチャーを前面に押し出し、そのノスタルジーが好評。
■映画『いつかはマイ・ベイビー』
幼なじみの男女に恋は芽生えるかを描くラブコメ。ネトフリはこういう軽め作品も、アメリカの人種問題や格差問題などを丁寧にちりばめきっちり作る。ちょっといけすかないセレブ役に、なんとキアヌ・リーヴスが本人役でカメオ出演。
■映画『ブライト』
ウィル・スミスとデヴィッド・エアー監督という『スーサイド・スクワッド』のコンビがネトフリ映画に参戦。地球外の知的生命体と人類が共存する世界を舞台にしたSF大作。製作費はなんとハリウッド超大作級の1億ドル超え。
■映画『マリッジ・ストーリー』
今年のアカデミー賞で作品賞、主演男優・女優賞など6部門で候補となり、ローラ・ダーンは助演女優賞を獲得。離婚に向かっていく夫婦のすれ違いを掘り下げた人間ドラマで、圧倒的なセリフ量の会話劇が高く評価されている。
■ドキュメンタリー『シェフのテーブル』
じつはネトフリはドキュメンタリーに力を入れていて、なかでも食に関するテーマは盛りだくさん。とくにスター料理人の密着ドキュメンタリー『シェフのテーブル』は料理人版『情熱大陸』のよう。シリーズ6まで作られている人気作。
■リアリティショー『ザ・ジレンマ:もうガマンできない?!』
『テラスハウス』などの恋愛リアリティショー形式だが、テーマは「禁欲」。イケイケの男女がリゾート地で1カ月、絶対セックスしてはいけない条件で共同生活をするという、脳内煩悩だらけの過激な設定。お国柄の違いとはいえ過激!
おこもりゴールデンウイークにどうぞ!
「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載