5月25日、アメリカ・ミネアポリス近郊で黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられ死亡した。この事件をきっかけに、警察官による黒人への過剰な鎮圧に抗議を表すデモが勃発。デモ隊は”Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)“という標語を掲げ、ツイッターでは同スローガンがトレンド入りした。
SNSを使った#BlackLivesMatter運動はアメリカの枠を超え、全世界の著名人も参加。日本では渡辺直美(32)や大島優子(31)などが、インスタグラムで#BlackOutTuesdeyというハッシュタグとともに真っ黒な画像を投稿した。これには、普段のSNSの活動をやめ、事件に対し追悼と抗議の声を高めようという意味がこめられている。
しかしこの運動に対抗し、差別に反対する声を覆い隠そうという勢力も出現。#WhiteLivesMatter(白人の命は大切だ)、#WhiteOutWednesday(水曜日のホワイトアウト)というハッシュタグも生まれ、デモ隊を揶揄するような投稿が相次いだ。
この#WhiteLivesMatterに“抗戦”の姿勢を見せたのが、全世界のK-POPファンたち。抗議運動を揶揄する内容とは全く関係ないような“推し”のアイドルの映像や画像を#WhiteLivesMatterのハッシュタグとともに大量投稿。つまりハッシュタグを“乗っ取る”ことで、差別への抗議運動を隠そうとする勢力を追い払ってみせたのだ。
「K-POPが支持を集めているのは、いまやアジアやヨーロッパにとどまりません。男性グループBTSは“セレブリティの仲間入りを果たしている”と言われるほど、米国内でも人気が高い。K-POP ファンは、SNSを通じての団結心が強いことでも知られています。差別に対する抗議の火をともし続けるために、蜂起したのではないでしょうか」(音楽ライター)
ツイッターではこのことを受け、「K-POPファン、やるな!」「彼らは私たちといっしょに差別と戦ってくれている!」という声が相次いだ。