コロナ禍の沖縄県議選で、1985年以降に生まれた玉城デニー知事を支える与党系の30代新人が躍進した。初当選を果たし、若手目線での沖縄の課題解決に意欲をみなぎらせた。
宜野湾市区の玉城健一郎さん(35)=無所属=は、日焼けした両手を高く掲げて万歳をした。「皆さんのおかげで闘え、結果を残せた。成長できた選挙だった」と当選をかみしめた。子育て中の知人も多く、これまで「若い世代の声を県政に届けたい」と訴えてきた。生まれ育った市野嵩の上空は、普天間飛行場の米軍機が轟音(ごうおん)を響かせながら飛行する。戦後75年も続く基地負担に「不条理をただすのが政治の役割だ」と訴え、県政で宜野湾の声を届ける。
沖縄市区で7期を務めた前職・嘉陽宗儀さん(77)の後継、島袋恵祐さん(33)=共産=は、年齢差44歳のバトンタッチを果たし笑顔を見せた。双子の兄とともに18歳で自衛隊に入隊したが、兄は徒手格闘訓練中に20歳の若さで亡くなった。兄の死をきっかけに、人の命や人権について強く意識するようになり、政治家を志した。「三度目の正直」で勝ち取った議席は、命と人権を守る議席だ。島袋さんは「苦しんでいる県民の声を聞き、県政へ届けたい」と語った。
那覇市・南部離島区の翁長雄治さん(32)=にぬふぁぶし=は午後10時13分、当確が報じられると冷静に支持者へお辞儀をした。父・故翁長雄志前知事の写真が見守る中「父がやり残したこと、子どもたちに胸を張って残せる沖縄をつくる」と気を引き締めた。政治団体「にぬふぁぶし」にとって、県議会での初議席。保守・中道の受け皿を目指す。「沖縄の課題はイデオロギーで解決できない。基地問題も保革を超えて県民が一枚岩となれば解決できる」と力を込めた。
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