沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は24日、2020年度に沖縄への修学旅行を計画していた県外の2318校のうち14日までに45.2%の1048校が取りやめとなり、修学旅行の予約数が1270校まで減少しているとの集計を発表した。人数では当初41万6050人が来県する予定だったが、現状の予定は16万9185人減の24万6865人に落ち込んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で4~9月は予約が全てキャンセルとなり、沖縄での修学旅行を実施した学校は無かった。
01年9月に米中枢同時テロが起きた際にも沖縄への修学旅行のキャンセルが相次ぐ事態が起きており、01年度の実績は学校数が前年度比34.9%減の1012校、人数が同40.4%減の18万1512人と低迷した。新型コロナの影響による修学旅行の落ち込み幅は、同時テロの影響を上回る状況となっている。
調査は修学旅行を取り扱う県内旅行社15社のうち、9社から回答を得た。例年修学旅行の最盛期となる10~12月の予約数は、当初の1102校(23万5929人)から438校(8万4719人)まで減少している。今後の感染状況などによりキャンセルはさらに増える可能性がある。
修学旅行の減少について、新型コロナによる休校の影響で修学旅行を中止して授業日数を確保する学校があるほか、沖縄から近隣地域への切り替えなどが起きているという。
一方、修学旅行の延期を決めた学校の振り替え予約などが21年1~3月に集中しており、同期間は当初予約の3倍近くに増えている。海外への修学旅行を予定していた学校が沖縄方面に切り替える動きもある。
05年以降、毎年40万人を超える学生が修学旅行で沖縄を訪れており、18年の実績は2455校で計42万9224人となっている。人数が40万人を下回れば04年以来16年ぶり、学校数が2千校を切るのは17年ぶりとなる。
OCVBは今後、延期した学校に対してオンライン説明会の実施や学校訪問をするなど、修学旅行の実施につなげる対策を実施する。修学旅行向けの感染対策動画を発信するなど情報発信にも力を入れる。
OCVBの下地会長は「修学旅行は将来リピーターにつながる重要な市場だ。来県を予定している学校に、安心してもらえる体制づくりを強化する」と話した。