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1月12日、職員向けにオンラインで年頭あいさつを行った東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)。

 

各メディアによると、「私が考え込んだり、迷いが出てきたとしたら全てに影響してくる。淡々と進めていく以外にない」と決意を語ったという。7日にも大会開催について「不安はない」と語っていたが、その姿勢は強固なようだ。

 

いっぽう、新型コロナウィルスの感染状況は全国的に深刻化している。首都圏の1都3県を対象とされた緊急事態宣言は、13日に大阪や愛知など7府県にも拡大。五輪開催まで200日を切っているが、世間ではいっそう危機感が高まっている。

 

また国民の不安と向き合わず、今夏に五輪を進めようとする森会長に批判の声も広がっていた。

 

そうした報道を指したのか、森会長は「家内がスマホをみると、私の悪口ばかりだったそうだ。菅さん以上だった。長い人生で初めて」と発言。さらに森会長が首相だった時と比べて、「こんなにひどくなかった」と苦言を呈したという。

 

「森氏が首相に就任したのは、世界中でインターネットの普及が進んでいた2000年。政府がIT革命に取り組むいっぽう、森氏は『イット革命』『パソコンができない人は日陰』といった失言も多数。後期は“首相が信頼できない”といった理由から、支持率は9%まで下落。あの当時からあまり変わっていないようですね……」(全国紙記者)

 

五輪開催に対する国民の不安を「悪口」と捉えた森会長。ネットでは再び批判の声が上がっている。

 

《悪口ではなく、多くが真っ当な批判》
《自身への批判を「悪口」としか受け止められない所に政治家として根本的欠陥を感じる》
《「悪口」と受け止めている段階で論外だ。感染の拡大で収束の目処が立たない中で、具体的な方策を示さず、ただ「不安はない」と脳天気な発言をしているからだ。初期にマスクは不要と言っていた事を皆忘れてはいないぞ》

 

菅義偉首相(72)は1月7日の会見で、五輪開催の決意について記者から問われると「2月下旬までには何とか(ワクチンの)予防接種をしたい」とコメント。そして、「こうしたことをしっかり対応していくことによって、国民の雰囲気も変わってくるのではないか」と期待を込めた。

 

森会長も昨年3月、大会延期を受けて「もう駄目だと言われたガンが、新薬で助かったんですよ」と自身の経験を回顧。その上で、「やっぱりそういうことに期待しようじゃありませんか」と呼びかけていた。

 

共同通信社が9日、10日に実施した世論調査によると、五輪開催を「中止すべき」と回答した人は35.3%。「再延期すべき」の回答は、44.8%にも上ったという。

 

是が非でも今夏の開催を進める政府。国民の不安に耳を傾ける日は来るのだろうか。

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