東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)による女性蔑視発言。森会長は2月4日、「発言を撤回する」と会見を開いたものの、横暴な振る舞いから“逆ギレ会見”とも揶揄された。世界中から非難が相次いでおり、その余波はいまだ収まりそうにない。
森会長の発言を受け、約390名が五輪のボランティアを辞退するというニュースが流れた8日。森会長を擁護したのが、自民党・二階俊博幹事長(81)だ。
毎日新聞によると二階幹事長は森会長について「撤回を既にしたことだし、問題はない」とコメント。さらに「今後、発言、行動に対して十分留意なさると聞いている。それ以上のことはない。冷静に見守るのが一番いいと思う」と話したという。
しかし、「撤回」とは何だろうか。近年、政治家の口からたびたび「言葉を撤回する」というフレーズを数多く聞くようになった。しかし、撤回しても発言したという事実は変わらない。
五輪憲章の「オリンピズムの基本原則」には、性別などを理由にした差別を否定するという旨が書かれている。つまり、五輪とは「性差別をなくす」ことを理念としている。しかし、森会長は組織委員会のトップにもかかわらず、自ら五輪憲章に反することをしたのだ。
にもかかわらず、「今後、発言や行動に留意するから問題なし」とした二階幹事長。ネットでは「撤回って何?」と非難が相次いでいる。
《放った言葉を撤回で済んだら、人生苦労しねぇんだよ》
《「撤回する」と言いさえすれば、何かが消えたり、何かが変わったりするのか?》
《一回言葉にしたんだから責任持つのが普通やろ!》
《撤回ってシステム何?》
東京五輪の組織委員会は7日、公式サイトで「会長自身も発言を撤回し、深くお詫びと反省の意を表明致しました」とコメント。さらに東京大会について「最もジェンダーバランスの良い大会」といい、「大会後の社会の在り方にもレガシーを残すように取り組んで参ります」としている。しかし、大会後ではなく「いま」を見つめるべきではないだろうか。