「映像作品にほとんど出演していない僕がこんなに重要なポジションをやらせていただいていいのか!? と。ものすごくうれしい気持ちの半面、プレッシャーもありました。ドラマを見た方からの反応もよくて本当にうれしいです」
そう語るのは、放送中のドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)で注目を集める東啓介(25)。恋愛小説家の母(菅野美穂)とその娘(浜辺美波)の2人と運命的に出会う整体師・渉周一役は、脚本を手がける北川悦吏子のラブコールで決定したという。
「北川さんが、『渉先生役は東くんじゃないと!』と僕に当てて書いてくださったんです。渉先生はまっすぐで、優しくて、人を癒す雰囲気のある男性。僕自身、思ったことをストレートに言うところや面倒なことを嫌うところとか、彼に重なる点が多くて。きっと北川さんが僕の素の部分を見つけてくださったのだと思います」
そんな彼がこれまで主戦場としてきたのは舞台。3月からは、ブロードウェイミュージカル『イン・ザ・ハイツ』に出演する。舞台は、米国の中南米系の移民が多く住む町・ワシントンハイツ。演じるのは、主人公ウスナビの幼なじみベニーだ。これまでも数々の作品でその美声を披露してきた東は、今作で人生初のラップに挑戦する。
「自分自身でも未知数です(笑)。夢や希望を持つ若者たちが厳しい現実を前に苦悩して、挫折して。でも、そこには恋も、人を思いやる愛もある。誰が見ても共感するストーリーだと思いますし、差別や貧困という部分もリアルに描かれているところもいい。音楽の力を感じて、明日への活力にしてもらえたらと思います」
デビュー後、舞台『刀剣乱舞』などの人気舞台で活躍し、現在はストレートプレイやミュージカルなどに出演する実力派の舞台人へと成長した。昨年は、ミュージカルのヒットナンバーを歌うファーストソロコンサートも開催。
「このライブを機に音楽活動への意欲が湧きました。いろんなジャンルの歌を歌ってみたいし、作曲もしたい。有名アーティストさんとコラボレーションできたらいいなと夢は膨らむばかり。でも、いまはまず、この名前を世の中に広く浸透させることがいちばん大切だと思っています。大勢のお客さんに舞台に足を運んでもらえるような役者になって、映像作品でもこの顔を覚えていただいて、それから自分のやりたい活動や作品に挑戦していきたいと思います」
「女性自身」2021年3月2日号 掲載