住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代にはやった歌やドラマの話。各界で活躍する同世代の女性と一緒に、“あのころ”を振り返ってみましょうーー。
「小学生のときの宝ものは、誕生日に買ってもらった松田聖子さんのLPアルバム『Pineapple』(’82年)。レコードプレーヤーの蓋をパカッと開けて、わくわくしながら、ゆっくりと針を落とすんですね。曲が始まると、一緒に歌って踊るけど、その振動で音飛びしてしまったり(笑)」
こう振り返るのは、『おかあさんといっしょ』(NHK)の17代目・うたのおねえさんで、’99年に『だんご3兄弟』が大ヒットした、歌手の茂森あゆみさん(49)。
「’80年代の思い出といえば、やっぱり『ザ・ベストテン』(TBS系)。とはいっても、小学生だった当時、番組が放送される夜の9時から10時は大人の時間でしたので、4歳上の姉たちと、こっそり応接間に集まって見ていました。ベスト3くらいになると眠くなってしまうんですが、マッチを見たいし、『ルビーの指環』(’81年・寺尾聰)が今週も1位なのか気になるしで、頑張るんです」
翌日の学校で話題にもなるため、見逃せないのだ。
「聖子さんの『風は秋色』(’80年)が初登場したときの放送を見逃して、学校での話題にまったくついていけなかったことを、いまだに覚えています。DCブランドの『VIVAYOU』のワンピースをキョンキョンが着ていれば、デパートに色違いを探しに行ったりしました」
『ザ・ベストテン』に夢中になった当時から3児の母になった現在に至るまで、一貫して“聖子ちゃんファン”であることを、茂森さんは自認している。
「高1を筆頭に、小6、小4の子どもたちにとっては“アナ雪の神田沙也加さんの母”ですが、聖子さんがテレビに出ていると『ママが好きな人が出ているよ!』と知らせてくれます。カラオケでは『夏の扉』(’81年)や『天使のウインク』(’85年)を振りつきで。ベストテンでは歌われなかった隠れた名曲『制服』(’82年)もよく歌います。シングル盤ではこの曲のA面が『赤いスイートピー』(’82年)で、もちろん大好きなんですけど、すごく難しい曲なので、カラオケでは歌わないんです」
「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載