「今、みんなが我慢をしたり、悲しい思いをしていたりしますが、そんななかでもエンタテインメントは必要であってほしい、と願っています。これはシンプルに楽しめて元気になれる作品です」
そう語る寺脇康文(59)が岸谷五朗(56)と共に立ち上げた演劇ユニット「地球ゴージャス」が初の海外作品に挑む。トニー賞7部門にノミネートされ大絶賛されたミュージカル『The PROM』(東京公演/3月10日〜4月13日TBS赤坂ACTシアターにて。大阪公演/5月9〜16日フェスティバルホールにて)だ。
「勉強熱心な五朗ちゃんがブロードウエーで見つけてきてくれました。昨年、25周年という大きな節目を迎え、次はどんな作品にしようか考えていましたが、この作品なら地球ゴージャスとして挑戦したいと思いました」
寺脇が演じるのは鳴かず飛ばずのミュージカル俳優トレント。
「トレントはどこか自分と似てるところがあるんです。この人も舞台で頑張っているんだけど、1本だけメジャーなテレビドラマに出ていたから街で顔が売れているんです。僕もよく『テレビで見ていますよ』と街で声をかけられることがありますし、トレントは表裏がなく思ったことをすぐ口に出してしまう愛すべき空気が読めない男でもあります」
映画版でメリル・ストリープが演じて話題となったブロードウエースターD.D.アレン役には、3人のキャストが選ばれた。
「ミュージカルスターで大ベテランの(保坂)知寿さんは歌と踊りとお芝居三拍子そろっていますし、一流バレリーナの草刈(民代)さんは立って歩いているだけで美しい。(大黒)摩季さんは歌はもちろんですが、役者にはまねのできない超越した演技をするんです。まったく異なった魅力を持つ3人ですね」
「女性自身」2021年3月23日・30日合併号 掲載