石垣市の中山義隆市長は31日、市役所で記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、市独自の非常事態宣言を発出すると発表した。昨年発出した市独自の緊急事態宣言より重い措置という。期間は1日から15日までで、市民に自宅待機を要請する。これを受け、市内の小中学校は2日から13日までの間、臨時休校する。石垣市内では5月の大型連休以降、新型コロナ感染者が急増しており、31日には過去最多となる25人の新規陽性者が確認された。
県は31日、10歳未満からから90代までの142人が新型コロナウイルスに感染し、入院していた那覇市の70代の男女2人が亡くなったと発表した。感染者数は月曜日として最多だった。コロナ関連の死者は計150人。感染者の累計は1万7044人となり、28日に1万6千人を超えてから、わずか3日で1万7千人を超えた。5月1日から31日までに感染者全体の約4分の1に当たる4590人が感染した。
中山市長の会見に同席した石垣市教育委員会の石垣安志教育長は、休校の理由について「市では陽性者が一向に減少していない。学校で児童・生徒や教職員に複数の陽性者が出ていることも踏まえた」と説明した。学習機会確保のため、8月に8日間の振り替え授業を予定している。休校中は児童・生徒に不要不急の外出や部活動、スポーツ少年団などの活動の自粛、同居する人以外との会食を控えることなどを求める。
石垣市は、高校など市内の4県立学校にも期間中の臨時休校を要請した。県教委は「市長からの要請を重く受け止め、県立学校も休校の方向で調整に入っている。1日に正式に決定する」としている。市内の公立幼稚園も同期間、臨時休園する。公立のこども園、保育所などでは、保育を必要とする児童は従来と同様に受け入れる。会見で中山市長は「(保護者が)外での会食で家庭にウイルスを持ち込み、子どもが感染する事例がある。これ以上の感染拡大を防ぐために協力をお願いしたい」と呼び掛けた。