カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)にかつて所属していた産婦人科医ジェイムズ・ヒープス(64)が1日、裁判所に出廷したとDaily Mailが報じた。ヒープスは患者に対する21件の性的暴行の重罪に問われている。
2018年にUCLAを退職するまで30年以上にわたり産婦人科医として医療行為に携わってきたヒープスには、「診療中の不適切な行為」に関する苦情が絶えなかった。大学が重い腰を上げて調査に乗り出したのは’14年のことだった。数多くの患者が性的暴行やハラスメント被害を訴え、’19年6月に逮捕されるや、約300人もの女性がさらに名乗り出て彼を告発した。
手袋をはめずに乳房の触診や内診を行ったり、超音波プローブを乱暴に扱って性行為の真似事をしたり、診察しながら卑猥な言葉を投げつけたりと、その手口は卑劣極まるものだった。
彼の医療助手を務めていたガブリエラ・バスケスさんも被害者の一人。超音波ブローブで性行為のシミュレーションを強要され、上司に被害を打ち明けたがしばらく無視されていたという。
’17年から’18年の間、定期的に彼の診察を受けていたジュリー・オルサッティさんは、「彼は私の体全体を手でなで回していました。あまりにもしつこく、長い時間さわりながら、『きみの胸はきれいだ』などと言っていました」と証言。
また、退職する2日前に彼に会ったというエレン・カーターさんは、診察室で服を脱がされ、性的暴行を受けたと語っている。
Los Angeles Timesによると、UCLAは今年初め、集団訴訟を起こした被害者の女性たちと、7,300万ドル(約80億円)で和解に達したという。しかし、ヒープス本人は容疑を否認しており、弁護士も無罪を勝ち取る方向で裁判を進めると見られている。21すべての罪で有罪となった場合、刑期は91年にも及ぶという。