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8月7~9日、14、15日に茨城県ひたちなか市・国営ひたち海浜公園で実施予定だった野外音楽フェス『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021』の開催中止が、7月7日に発表された。

 

公式サイトによると、会場である国営ひたち海浜公園や地元自治体の茨城県、ひたちなか市と協議を重ねて開催の承認を得ていたというが、7月2日に茨城県医師会の代表者より要請書を手渡されたことで中止を決断したという。

 

昨年はコロナ禍によってイベントが相次いで中止・延期となり、同フェスも開催を断念。しかし、同フェスの主催者である「ロッキング・オン」は今年5月に、千葉市蘇我スポーツ公園で『JAPAN JAM』を開催した。今年は感染防止対策を徹底して開催したところ、終演から20日後に『JAPAN JAM』の観客からクラスター感染の発生が起きなかったことを報告している。

 

そんな前提がありながら開催1カ月前にして、突然の開催中止要請。要請の当事者である茨城県医師会には《感染対策ルール守って、参加しようとしてた人達は何に納得すれば良いんだよ》《単なる弱いものいじめ》と音楽ファンたちから批判が殺到している。波紋が拡がるなか、本誌は茨城県医師会事務局に要請書を提出した真意を聞いた。なお、この取材は、医師会がHPに一度は削除した要請書が再掲載される前に行っている。

 

――どのような意図で開催中止の要請書を提出したのか?

 

「私どもが要請したのは、『今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止・または延期を検討してください』ということです。仮に開催する場合は、『更なる入場制限措置を講ずるとともに、観客の方の色んな行動を含む感染防止対策に万全を期してください』とお願いをしました。『何がなんでも中止してください』ということではなく、開催する場合でも感染対策をしっかりとお願いしますといった要請です」

 

――今年開催された『JAPAN JAM』ではクラスター感染が起きていない。さらに現在、県内では他に様々なイベントが催されているが、なぜこのタイミングで「ロッキング・オン」だけに要請を?

 

「実は、茨城県医師会がフェスが開催されることを知ったのが、6月18日ごろだったのです。ひたちなか市医師会の役員の先生から『フェスが開催されることになって、医療提供体制とかそういった点から不安が大きいんだよ』という話がありました。県内だけでなく県外からも人が来るので、その話を機に『これは一医師会の話だけではなく、県内の医師会全体に関わる問題だろう』となり、何回か会議も行い要請書を取りまとめました。あえてこのタイミングで要請した、というわけではないんです」

 

――要請書にあった「観客の会場外での行動を含む感染防止対策」とは具体的にどのようなことを指しているのか?

 

「例えば、主催者が観客の行動にいちいちついて回って注意するとなんてできないことは承知しています。ですので事前に、開演時や終演時に声かけをしっかりしていただくなどの感染防止対策をお願いしました。あるいは観客の方にお願いすることになるかもしれませんが、そこは主催者としてもしっかりお願いしていただきたいということです」

 

――要請書を手渡した後、医師会のHPに文書を掲載するも一旦削除。要請書を削除したのはなぜ? ※7日の午後4時45分ごろ、HPに文書を再掲載。

 

「7月5日に、要請書を提出したことをHPに掲載しました。ですがその日の内に、主催者の方から『中止することにします』というようなお話があったのです。掲載したばかりでしたが、主催者側からそのような回答があったので、私どもが載せた内容はいずれ主催者側からの発表があると思って削除しました」

 

――主催者は公式サイトにて、再掲載を望んでいたが?

 

「メッセージは見ましたが、他意があって削除したわけではなく『中止する』といったご連絡を頂いていたので。要請書を持参したこと自体は、中止と決まれば報告しても意味がないと思ってHPから削除しました。ただ一度掲載すると、載せたという事実が残ることは承知していますので、載せたことを隠すといった意味では全くないんです」

 

――茨城県ではカシマスタジアムが競技会場に指定されており、7月4、5日には県内で聖火リレーも実施されている。東京五輪についても、「ロッキング・オン」と同じように中止の要請を出しているのか?

 

「五輪大会には要請書は出していません。理由は、五輪の開催や観客の有無についてはIOCや国で色々議論されています。他にも様々な団体からも要請や意見が届いていると思います。そういう状況のなか、このタイミングで茨城県医師会が東京五輪に対して要請を出すというステージにはありません。要請を出す時期でも案件でもないという判断です。『ロッキン』のフェスは地元で開催される非常に大きなイベントだということで、今回要請書を出したということです」

 

東京五輪には「要請を出す時期でも案件でもない」。いっぽうで、フェスに要請書を出すことは“然るべき”だったというのだろうか。

出典元:

WEB女性自身

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