米ミズーリ州から心温まる話題が届いた。WSAZなどが伝えている。
8歳のジェシー・スターくんは、同州サリヴァンで開催されたコミュニティ・フェアのオークションに、自宅の農場で大切に育てていた豚を出品した。彼がこの決断に至ったのは、親友のクレア・カルヴァンちゃん(7)のためだった。
FOX NEWSによると、クレアちゃんは2020年に脳腫瘍の一種である小児脳幹部グリオーマ(DIPG)と診断された。
「この病気は、筋肉の動きや神経系の機能が徐々に低下していきますが、心に問題が生じることはまったくありません。診断された時点で、DIPGの子どもたちの平均寿命は9〜12カ月しかないんです」とクレアちゃんの母レイチェルさんはWSAZに語る。
先進医療の臨床試験などが功を奏して、クレアちゃんの腫瘍は縮小していることが認められたそうだ。しかし、完治を目指すためには今後も莫大な治療費がかかる。それを知ったジェシーくんは農場の豚を売り、売上金をクレアちゃんの治療費に充ててもらおうと考えたのだという。
WSAZによれば、競売でジェシーくんの番が来ると、事情を知っている人々が次々と入札していったという。通常1,600ドル程度で売れる豚は、最終的に地元企業の重役を務める女性が1万6,000ドルで落札した。
驚くことに、この女性は同じ豚を「もう一度売って」とオークションの運営側に促し、今度は別の地元企業2社が協力して3,000ドルで落札。合計1万9,000ドル(約200万円)にもなった売上金は、丸ごとクレアちゃんとその家族に贈られた。
ジェシーくんの母親ショーナさんは、「友達は相棒です。2人は生涯にわたる相棒であり続けるでしょう。友達が助けを必要としているときにするべきこと、それは相手を助けることです」とWSAZにコメントした。