「クランクアップの瞬間、涙が止まらなくなってしまった私を優しく受け止めてくださった、スタッフ皆さんの温かさが心にしみました」
3月24日に都内で行われた新ヒロインへのバトンタッチ会見でこう語ったのは、朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』3代目ヒロインの川栄李奈(27)。先週の放送分で、川栄演じるひなたが京都・条映太秦映画村を訪れた米国映画製作チームにガイドする英語は流暢で、視聴者を驚かせていた。NHK関係者は言う。
「勉強が苦手でAKB48時代は“おバカキャラ”が定着していた川栄さんでしたが、この撮影のため、約1年前から英語の先生について特訓してきました。今回はさらに関西弁も話さなければならず、『人生26年間でいちばん勉強している!』と言っていました。
’19年11月に生まれたお子さんの育児の合間に、お風呂場で台本を覚え、入浴時間が2〜3時間になる日が続いたそうです。それだけにクランクアップでは感極まって、共演者だけでなく、律義にスタッフ一人ひとりに泣きながら挨拶して回っていました」
彼女が涙もろいのは関係者の間では有名な話のようで……。
「女優業に転身してまもなく、仕事で悔しい思いをした帰りの車で涙を流していたそうです。実力不足を痛感して、女優業の壁の高さを知り、演技の引出しを増やすべく一層精進するようになったといいます」(制作関係者)
『カムカム〜』の共演者・本郷奏多(31)も彼女の“涙腺”に驚いていた一人だ。
「弱音を吐いたひなたへ『毎日顔見せろ。寂しいだろ、バカ』と本郷さんが抱きしめるシーンで、川栄さんが見せた涙は実は台本にはないアドリブでした。脚本の素晴らしさに加えて、“子どもが生まれてから涙腺がゆるくなった”そうなんです」(前出・制作関係者)
川栄の“秒泣き”演技には、母・るいを演じる2代目ヒロイン・深津絵里(49)も一目置いていたと前出のNHK関係者は続ける。
「川栄さんはもともと深津さんの大ファンで、初の共演シーンでは緊張でパニック寸前に。深津さんも最初は『今のやりづらかったよね』『こっちのほうが動きやすくなるよね』と気遣っていました。ですが、撮影が進むにつれ深まる川栄さんの喜怒哀楽の演技に、深津さんも感心していました」
当の川栄は最近のインタビューでこう語っている。
《ふだんは私、わりと静かなほうで、あんまり感情を出さないタイプの人間なので、いろんな役で感情表現をするのがすごく楽しいんです》(『週刊朝日』3月25日号)
感情スイッチが入った川栄の女優魂が『カムカム〜』終盤戦をさらに盛り上げそうだ。