「狙いとしてはいろいろあるが、最も大きなものは、議会の機能不全を正すこと、これに尽きる」
こう語ったのは、広島県安芸高田市の石丸伸二市長(39)。これは、5月31日放送の『ABEMA Prime』(Abema TV)で語ったもの。
今、石丸市長が全国的に注目を集めている。
「石丸市長は安芸高田市の出身で06年に京都大学経済学部を卒業後、三菱UFJ銀行に入行し、アナリストとしてニューヨークでも活躍しました。20年7月に安芸高田市の前市長が河井克行元衆議院議員から現金60万円を受け取っていたことの責任を取り辞職したことで、出馬を決断し、銀行を退職。そして8月に行われた市長選で対立候補との一騎打ち制し、見事当選。
就任早々にTwitterで《議会中、居眠りする議員が1名》と投稿し、話題に。昨年1月には転職サイトで全国から副市長を公募する異例の取り組みを行いましたが、市議会で財政難などを理由に否決され成立はしませんでした。その後も、性的マイノリティのカップルが婚姻と同等の扱いを受けられるパートナーシップ宣誓制度を導入するなど、先進的な政策を次々と進めています」(地方紙記者)
そんな“政治の見える化”を掲げる石丸市長には、どうしても実現したい肝いりの政策が。市議会の議員定数半減だ。
「5月24日の会見で、石丸市長は現在16の安芸高田市の議員定数を8に半減する条例改正案の構想を明らかにしました。そして、『質問しない。居眠りする。説明責任を果たさない』と市議会を批判し、『そんな議員は要らないという声をたくさん聞く』とも語っていました」(前出・地方紙記者)
“定数半減”という大鉈を振るう石丸市長だが、実現へのハードルはかなり高いようだ。
「安芸高田市議会の宍戸邦夫議長は『半減すれば、市民の声が反映されなくなる』と猛反発しているといいます。石丸市長は10日の定例会で条例案を提案する意向のようですが、議会の大多数は反対する構えだといい、成立はかなり難しいでしょう」(前出・地方紙記者)
議長のように定数削減に反対する声もあるいっぽう、石丸市長の改革を応援する声も。
《人口27,000人で16の定数も必要ないと思います。市長が提案する半数の8に削減するべきだと思います。これは、この市だけでなく全国規模で行うべきだと思います》
《がんばってください!!》
また、安芸高田市での動きを受けて、中継でもたびたび居眠り姿が報じられる国会議員に対しては厳しい声が。
《国会議員にも言いたい言葉ですね。実際居眠りやヤジ飛ばすだけで年間数千万も使われるんだから要らないよね》
《国会議員も同じです 解雇したいです》
《居眠り議員要らない!!よく言った!!国会議員も同じだ!!》
石丸市長は冒頭に続けてこう語っている。
「議員定数を減らすだけで議会の機能不全が正せるとは思ってはいないし、急ぐ必要もないと思う。ただ、議会がやったことをそっくりそのまま反転させてみた時に、認められるのだろうかという問題提起をしたい」
全国が注目する石丸市長の改革。果たして、実現するのかーー。