「まだ夢を見ているようだ。主人のおかげで経験できない色々なことを経験できた。すごく感謝している」
こう語ったのは、安倍昭恵さん(60)。7月12日、奈良市で演説中に銃撃を受けて死亡した安倍晋三元首相(享年67)の告別式が東京・港区の増上寺で行われた。
各メディアによると、近親者のみで行う家族葬の形だったが、麻生太郎副総裁(81)や岸田文雄首相(64)といった約1000人が参列。また昭恵さんは冒頭のように挨拶したという。告別式後、安倍元首相は都内の斎場で荼毘に付された。
全世界に衝撃を与えた銃撃事件から5日。事件の全容解明に向けて捜査が進むなか、連日、議論を呼んでいるのが当日の警備体制だ。
「事件当日、7メートルの距離から撃たれた1発目は命中しなかったものの、5メートルの距離に近づいて発射した2発目が安倍元首相に命中し、結果的に命を奪いました。事件の前日に急遽演説が決まったことで、普段より警備計画の構築に時間がなかったとはいえ、1発目と2発目の間に約3秒の時間があいていたことや容疑者の接近を阻止できていないことなどから、警備体制の不備を指摘する声が相次いでいます」(全国紙・政治部記者)
各メディアによると、事件当日、警視庁警護課からのSPを含めた奈良県警や奈良西署で構成された7名のSPと15名の県連スタッフが警備や警護にあたっていた。7月9日、奈良県警察本部の鬼塚友章本部長は会見を開き、「警護、警備に関する問題があったことは否定できない」と説明し、警備に問題があったことを認めたという。
この問題は連日、ワイドショーでも取り上げられ、専門家たちは警備体制の問題点を指摘。さらに、鈴木俊一財務大臣(69)も12日の閣議後の会見で、「悲惨な結末になってしまったことは、警備に不備があったと言わざるを得ない。しっかりと検証し、改めてもらいたい」と注文していた。
さらに、インターネット上でも《奈良県警とSPが無能すぎる。SPは2発目の時安倍さんに覆い被さったりして身を守れよ、それが仕事だろ》などと指摘する声が噴出。
さらに、事件後、県警には11日午前7時までに電話やメールなど約1300件が寄せられていることも各メディアで報じられている。大半が警備に関する批判で、電話がつながりにくくなっている時間帯もあるという。
安倍元首相の警備体制への批判が高まるなか、いっぽうでネット上では警備にあたっていた人たちを慮る声も少なくない。
《現場にいたSPさんのメンタルが心配 きっと守れなかった自分を責めてると思うんだ 結果は受け止めるとして 過度に自分を責めないで欲しいなぁ…》
《安倍氏死去でSPのメンタルも気になるなあ。守れなかった罪悪感は絶対ある》
《奈良県警察やSPも心配だよ。仕事の責任はあるけど、それをいつまでも責められたり、気に病むと本当にメンタルやられるからね。彼らも人間なんだから。彼らのケアもしてあげないと連鎖するよ》
「鬼塚本部長が会見で『警護実施上の問題点を洗い出す』と話していたように、今後原因の解明が進んでいくことでしょう。県警も問題はあったと認めていますし、今後、こうしたことが二度と起こらないよう徹底的に検証していくことが求められると思います。同時に、当日警備や警護にあたっていた人のメンタルケアも必要ではないでしょうか」(前出・政治部記者)