「改めて確認するよう指示し、一切の関係を持っていないことが確認できた。党の会合に招待したこともなく『友好団体』など、党と関係のある団体のリストに旧統一教会だけでなく、その関連団体の記載もなかった」
2日、旧統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)と自民党の組織的な関係についてこう説明したのは同党の茂木敏充幹事長(66)。
7月8日に起きた安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件を契機に、注目が集まっている政治家と統一教会の関係。昭和末期から統一教会は霊感商法や高額な献金が問題視されてきた団体だ。
「かねて旧統一教会の問題を追及してきた全国霊感商法対策弁護士連絡会は7月12日に開いた会見で、旧統一教会と政治家が関わることについて『政治家として配慮いただきたい、ということを繰り返しお願いしてきた』とコメント。政治家が旧統一教会やその関連団体の集まりに出席したり祝電を打ったりすることで、旧統一教会が社会的に承認されているという“お墨付き”を与えることになる、と警鐘を鳴らしています」(全国紙記者)
しかし、自民党の議員と統一教会との繋がりは続々と明らかになるいっぽう。
これまで細田博之衆議院議長(78)や山本朋広議員(47)が教団に関連するイベントに出席していることが明らかに。安倍元首相の実弟である岸信夫防衛相(63)は、7月26日の会見で「(旧統一教会の人を)何人かは存じ上げている。お付き合いもあったし、選挙の際もお手伝いをいただいた」と交流があったことを認めている。
本誌も稲田朋美議員(63)と平井卓也議員(64)が旧統一教会と関わりを持っていたことを報じている。両者は本誌の取材に対し、過去に旧統一教会の関連団体のイベントに出席したことを認めた。
こうした状況にも関わらず、自民党幹部たちは“甘い”反応を見せている。
「岸防衛相は、旧統一教会が問題視されていることを認識した上で支援を受けていたことを明らかにしています。また、福田達夫総務会長(55)は29日の会見で旧統一教会との関係について『何が問題かわからない』と発言し、批判が殺到。その後、すぐに釈明コメントを出しています」(前出・全国紙記者)
これまで旧統一教会の話題について沈黙を守ってきた自民党の総裁でもある岸田文雄首相(65)は31日の会見でついに言及。しかし、「政治家の立場から、それぞれ丁寧に説明していくことが大事だ」と語るにとどまっていた。
茂木幹事長も冒頭の発言に続けて、党として旧統一教会との関係について個別に調査を行わず、それぞれの自発的な説明に委ねる意向を示している。
いっぽうで、そんな自民党とは対照的な対応を見せているのが野党である立憲民主党と日本維新の会だ。
「立憲民主党は調査の結果、旧統一教会からの寄付や支援はなかったと発表しました。しかし、8人が関連団体の会合に祝電を送るなど接点を持っていたとし、厳重注意をするとしています。泉健太代表(48)は『さらなる精査が必要』との考えも示しました。
また日本維新の会も全ての所属議員に調査をし、献金や支援は受けていないものの13人の議員の名前を公開した上で、会合に参加するなどしていたことを報告しています」(前出・全国紙記者)
率先して、党をあげて調査に乗り出し、結果も公表した両党。ネット上では、個人の説明に任せるという“事なかれ”的な対応を見せた自民党との差を称賛する声が。
《まずは党内調査したことは維新は他党とは違うな、と評価する》
《立民、ちゃんと調べて発表出来るところは見直しました。》
これに対しては“ひろゆき”こと西村博之氏(45)もTwitterで次のように私見を述べた。
《党として、公式に統一教会との接点のある議員を公表して反省するのは大事。ここで誉めないと他の党は「隠蔽した方が得」という意見が強くなります》
日本維新の会、立憲民主党との対応の差が浮き彫りになった自民党。多くの自民党議員と旧統一教会の関わりを、党として説明しないままなのだろうか。