シリア北東部にあるアルホール難民キャンプには、過激派組織「イスラム国(IS)」から逃れた人々が多く暮らしている。もともと内戦などで家を失った人々が避難するために機能してきたキャンプだが、ISの支配地から移されてきた人々が増えるにつれて犯罪件数が増加。
国境なき医師団の報告によると、女性や子どもは無期限に拘束され、医療へのアクセスも制限されるばかりか、暴力や搾取から逃れられない「屋外刑務所」と成り果てているという。
そんな悪名高いアルホール・キャンプで、エジプト人の11歳と13歳の少女がISの構成員によって斬首されるというショッキングな事件が起こった。Daily Mailが伝えている。
NGOのシリア人権監視団によると、2人は行方不明になった数日後にキャンプの下水道で遺体となって発見されたという。
このような凄惨な犯罪行為は通常、ISのスリーパーセル(潜伏テロリスト)により、同団体の極端なイデオロギーに従わない女性に対して行われるものだとDaily Mailは指摘している。
今年9月、このキャンプでは米国の支援を受けたシリア人兵士によって、24日間に及ぶ掃討作戦が行われ、数十人の過激派を拘束し、武器を押収していたという。今回の殺害事件は、その作戦以来初めてのことだった。
国境なき医師団は、キャンプ人口の約64%が子どもであり、さらに50%が12歳未満で、母親や養育者から無理矢理引き離されて連れて来られたケースが多いとしている。