岸信夫首相補佐官(63)が次期衆院選に立候補せず、引退する意向を地元後援会幹部に伝えたと12月11日に報じられた。しかし“後継者”として長男の信千世氏(31)を指名したため、疑問が噴出している。
安倍晋三元首相(享年67)の実弟である岸補佐官。’04年の参院選、山口選挙区で初当選し、’12年からは衆議院議員に。’20年9月、菅内閣のもと防衛大臣として初入閣を果たし、今年8月からは首相補佐官を務めている。
そんな岸補佐官だが、12月11日に引退を表明。「読売新聞」によると、岸補佐官はこの日、山口県岩国市であった後援会幹部の会合に出席。そして自身の健康状態を理由に、「このあたりで信千世に譲りたい」と述べたという。また「テレビ山口」は、信千世氏は会の中で「地域のために頑張りたい」と話したと報じている。父が息子に、日本の将来を託した形だ。
しかし、政治家の“世襲”はたびたび問題視されている。10月4日、岸田文雄首相(65)が公設秘書に長男の翔太郎氏(31)を起用した際にも「政治の私物化」という声が野党から上がっていた。
「政治家の家系であっても、実際に有権者に選ばれて当選しないと“世襲議員”とはいえません。ただ親族の築いた地盤や人脈があり、知名度や資金もあるため、政治家としての適性があまり問われないまま選挙に勝つというケースが多々あります。そのため『既得権益を温存するな』という声が後を絶ちません。
また岸補佐官は安倍元首相の銃撃事件によって、旧統一教会との親密な関係が発覚しました。そもそも兄の安倍元首相や祖父の岸信介さんなど、一族で教団と近い関係を指摘されているため、岸補佐官の“世襲”を疑問視する国民も少なくないようです」(全国紙記者)
岸補佐官が直々に行った後継者の指名。ネットでは厳しい声がこう上がっている。
《世襲が当然という趣きで発言していることに慄然》
《世襲を当然のように発表するのもあれだし、当たり前のようにそこに投票する地元》
《譲りたいって、世襲前提かよ。なんだかもううんざりだな。世の中変えようよ》