NHKが郵便法に違反していたとの理由で、総務省から行政指導を受けたと12月14日に発表された。10月には「受信料未払者に2倍の割増金を徴収することを検討する」と発表し、反発の声が上がっていたNHK。世論との乖離が加速する事態となっている。
各メディアによると、NHKは国の許可を得ていない事業者に「受信契約の締結が確認できない人に契約を促す」との目的で作られた文書の送付を委託。期日を指定して返送を求めていたものについて、総務省は日本郵便や総務相の許可を受けた事業者のみが取り扱うことのできる“信書”と判断したため行政指導を行ったという。
NHKは、公式サイトで信書の対象となった文書は’15年12月から今年1月までに送付されたおよそ2070万通だと明かし、「総務省から行政指導を受けたことは誠に遺憾です」とコメント。そして「今回の事態を重く受け止め、再発防止を徹底するとともに適正な業務体制を構築し、ガバナンスの強化に一層努めてまいります」と述べている。
そんなNHKは10月11日、放送法の改正に伴い、放送受信規約に関する変更点の素案を発表。そして“テレビを設置しながら期限までに受信契約の申し込みをしなかった場合などに徴収できる割増金制度”について明かしたが、非難が相次いでいた。
「規約素案には『受信契約の申込み期限は、受信機の設置の月の翌々月の末日まで』とあり、さらに不正な手段によって受信料を支払わなかった場合に課す割増金に関して、『支払わなかった受信料に加えて、その2倍相当の額を請求できる』とありました。
しかし、長らく受信料契約の“事実上の義務化”に異論が相次いでいます。新たな規約は、来年4月から運用するとのことでしたが、当時ネットでは『テレビを捨てる』との声が相次いで上がるなど“テレビ離れ”を加速させる事態となっていました」(全国紙記者)
そして今回、NHKは受信契約を促すポスティングに、郵便法違反との判断がくだされることに――。SNSでは皮肉にも「スクランブル化(受信料を支払った人だけが視聴できるようにすること)するべき」との声がこう紛糾している。
《郵便法違反しているNHKに受信料を払いたくない。スクランブル化にしろ!》
《訪問勧誘だけではなく、郵便勧誘もやめさせろ 見たい人が自らNHKに契約しに行く、スクランブル放送のような取り扱いにすれば良い》
《スクランブルにすれば解決ですね!再発防止に是非!》
NHKは公式サイトで「なぜ、スクランブルを導入しないのか」という質問に際し、まず自身の役割について「特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報や、豊かな文化を育む多様な番組を、いつでも、どこでも、誰にでも分けへだてなく提供する役割を担っています」と説明。
そして、「スクランブルをかけ、受信料を支払わない方に放送番組を視聴できないようにするという方法は一見合理的に見えますが、NHKが担っている役割と矛盾するため、公共放送としては問題があると考えます」と続けて回答している。しかし、世論の支持はなかなか得られていないようだ。