またもや子供を預ける保育園で痛ましい事件が起こった。今年9月、鹿児島市の認可保育園で、女性保育士が2歳の男児を園内の倉庫に閉じ込めていたことが明らかになった。
事件を報じた南日本新聞によると、園児が閉じ込められたのは掃除用具などを収納する倉庫。園児を迎えにきた保護者に、保育士が「言うことを聞かなかったのでお化けの部屋に入れた」と報告したことから発覚したという。
「園児が閉じ込められた倉庫に窓はなく、ドアノブや電気のスイッチは園児に届かない高さにあったそうです。園側は同紙の取材に『閉じ込めたのは4、5秒』『その場を離れていない』と答えたそうですが、保護者が受けた説明とは食い違っています。同園では過去にも男性保育士が園児を閉じ込めたことがあったといい、理事長は『愛情を持ってのことだったと思うが、時代にそぐわない行き過ぎた行為』とコメントしたと報じられています」(週刊誌記者)
園児はその後、突然泣き出すなど精神的に不安定になり10月上旬に退園。閉じ込められたことが原因で、11月下旬に医療機関からPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたと伝えられている。
現在、保育士による園児への虐待事件が社会問題化している。今月上旬には静岡県裾野市の「さくら保育園」で、園児の両足を持って逆さづりにする、カッターナイフを見せて脅すといった行為が発覚したばかり。元保育士の女3人が暴行容疑で逮捕され、裾野市は園長を犯人隠避の疑いで刑事告発した。
さらに富山県富山市の「本郷町保育園」でも、同様の事件が明らかになったばかりだ。今年8月に、園児を逆さづりにして体を引きずる、物置に押し込むといった虐待行為が判明し、今月上旬に元保育士の女2人が暴行の疑いで書類送検されている。
「こうした不適切保育は、氷山の一角だといいます。背景に保育士の慢性的な人手不足や低賃金といった労働環境や、園側の隠ぺいなど様々な要因が指摘されています。12日には、『保育園を考える親の会』が厚労省に要望書を提出。保育事業に携わる関係者に向けた不適切・虐待保育を防止する啓発や、内部告発や保護者の訴えを受ける窓口の設置を求めました。保育士の労働環境も含め、保育環境の改善は喫緊の課題でしょう」(社会部記者)
園児がPTSDを患ってしまうような痛ましい事件に、ネット上では憤りの声が相次いでいる。
《愛情をもって…?ふざけてんのか?》
《子供の頃に受けた心の傷は一生消えないんだよ》
《最近、こうした報道が次々となされていて心を痛めます》
《明らかに保育士の感情が先走った行き過ぎた行為は絶対にダメだと思う。手の届かないドアノブ、スイッチなど見回す余裕すら幼児には無いだろう。心理的ケアを十分にして欲しい》
同時に、保育士の労働環境の改善を求める声も上がっている。
《保育士のモラルにかかっている点については否めないが、慢性不足状態を解消しないと保育士のメンタルも限界でまたこういう問題が起こる》
《悪い事をしたのは閉じ込めた保育士さんだと思う。 けど、他の方も仰ってるように、その原因は保育士さん自身ではなく、システムや人員不足なんだと思う》
《保育士さんの数を増やすこと、待遇を改善することをしないとこういう問題は絶対に無くならないと思う》