2022年10月期のドラマも、続々と最終回を迎えている。Netflixなどサブスクリプションサービスが台頭し、個人の視聴環境も細分化される中、今年は、民放制作の連続ドラマにも当たり作品が多かった。
なかでも人気を集めたのはどの作品だったのだろうか。そこで本誌は今年放送された連続ドラマで満足した作品についてアンケートを実施。上位3作品を見ていこう。
3位には、7月期に放送された『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)がランクイン。
町の弁護士、通常“マチベン”を題材にした本作。有村架純(29)が演じるのは、「パラリーガル」として働く、東大卒ながらも司法試験には落ち続けているキャラクター。一方で中村倫也(35)が高卒弁護士役を演じ、2人のデコボコながらも抜群のコンビぶりが評判となった。
「有村架純さんと中村倫也さんの掛け合いが心地よくて観ていてとても楽しかった。法律が身近に感じられた。あの2人の物語の続きをまた観たい」(40代女性/パート)といった意見はもちろん、こんな声も寄せられた。
「男女のバディが簡単にカップルにならないところ。役の上でだけど役の各々自分の人生を大切に生きているところが生っぽくて良い」(50代女性/パート)「町弁という題材も新鮮で、派手な法廷シーンなどはほとんどなくても、弱者に寄り添う身近なテーマで、是非続編が見たいなと思う作品です」(40代女性/専業主婦)と、現代の価値観に寄り添った物語の描き方にも高い評価が上がった。
2位に輝いたのは、見逃し配信累計再生数が4600万回を超えるなど社会現象となっている『silent』(フジテレビ系)。ヒロイン「紬」を川口春奈(27)が、その紬と高校時代に交際していた「想」をSnow Man・目黒蓮(25)が演じている。聴力を失っていた元恋人と8年越しに再会し、再び関係を紡いでいく姿を描く、完全オリジナルのラブストーリーだ。
別れから8年後に偶然再会すると、想が当時「若年発症型両側性感音難聴」を患ったことをきっかけにあらゆる人間関係を絶った事実を知る紬。揺れる心もあるなか、想には聴覚障害を持つ奈々という寄り添う友人の存在があり、紬にも新たな恋人はいて……。
複雑な心情描写はもとより、「何の期待もせずになんとなく見たら、初回から度肝を抜かれました! 初回で泣いたドラマは初めてです。ナナさん役の方の手話が完璧過ぎて、本当に聴こえないんじゃないかと勘違いしてしまう」(50代女性/会社員)など、特に手話表現への評価が高い。ろう者である奈々を演じる夏帆(31)にも称賛の声が集まっている。
「好きなアーティストの楽曲が多用されていて、お話以外にも、隠れた伏線を探すのが楽しく、切なくなった」(40代女性・パート)と、音楽への言及も。“聞こえない”ことを題材に扱っているからこそ、BGMやそのほか作中での音の表現にこだわって演出がなされた結果なのだろう。
先日、本誌が実施したアンケートでは、「秋ドラマ『最終回まで見たい』作品」「秋ドラマ『見るのをやめた』作品」のどちらでも上位にランクインしていたが、今回は「満足」作品のみで上位に。ストーリーが進んでいくごとに、どんどんと支持を伸ばしていったようだ。
堂々の1位は、1月期放送の『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)!
「ミステリのようでミステリではない」独特な雰囲気の作品。その空気感を作り上げる主人公・久能整(くのう・ととのう)は、自身の考えや正論をあますところなく述べるのに、決して“論破してやろう”という姿勢は見せない。そんな飄々とした性格が魅力のキャラを菅田将暉(29)が演じた。
「菅田将暉の演技がピカイチ 原作がよくそのイメージを壊さなかった。ストーリーにどんどん引き込まれた作品でした」(60代女性/専業主婦)と、同タイトルの人気漫画が原作のドラマのため、当初は漫画ファンからの不安視する声もあったが、しっかりと跳ね返し、人気ドラマに。
原作でも特徴的な主人公の語り口も、ドラマで違和感なく演じられ「整(菅田将暉君)の淡々とした語り口調が心地よかったし、内容も気持ちよかった」(40代女性/自営業・自由業)と高評価だ。
ドラマの人気ぶりから、映画の制作も決定。来年秋に公開予定となっているが、「小さな引っ掛かりから、当たり前の事なのに初めて気がつかされた長台詞が、毎回心打たれました。早く次回作、映画が観たい」(50代男性/アルバイト)と、早くもラブコールを送るコメントも見られた。
トップ3の作品を振り返ると、「現代的にアップデートされた価値観」が共通項のように浮かび上がってきた。テレビ離れが叫ばれても、まだまだテレビドラマは絶大な影響力を誇る。そこから新たな価値観が共有され、支持を受けるのはまさに「時代の変化」をあらわしているのかもーー。
【2022年放送の連続ドラマの中で「視聴して満足した」作品は?】(複数回答可)
1位:『ミステリと言う勿れ』7%
2位:『silent』5.5%
3位:『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』4.4%
4位タイ:『クロサギ』4.2%
『相棒 season21』4.2%
【調査概要】
実施期間:22年12月5日から22年12月13日
調査対象:15歳以上の男女333人
調査方法:WEBでのアンケート
『WEB女性自身』調べ(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』、Googleフォームを使用)