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――2022年の日本を揺るがせた統一教会問題。12月10日、不当な勧誘行為によって献金をしてしまった被害者を救済する法律が与野党の賛成多数で成立した。だが、教団の2世の問題は置き去りにされたままだという。

 

紀藤正樹弁護士(以下・紀藤):親が多額の献金をしたり、自由な恋愛や進学が認められなかったり。特に未成年の2世が家族と決別するには、家出をするしかないんです。そうした子供たちも僕のところに頼ってくるんですが……。しかし未成年を守ってあげるには、親権の壁があるんです。

 

鈴木エイトさん(以下・鈴木):結局、家出しても行く場所が見つからず、生きていくために性風俗で働いたり、アダルトビデオに出演したりするしかないケースもあるんですよね。

 

紀藤:2世の問題は、あまりに悲惨な状況なのに放置されていました。どこに行っても助けてくれない。このまま放置すればいずれ暴発するのではと心配していました。

 

鈴木:僕自身、暴発の矛先が恨みのある教団に向くことはありえると思っていましたが、教団と関係を持っていた政治家に向くことまでは想定できませんでした。

 

紀藤:統一教会の信者が大臣執務室に入り、議員会館を闊歩していたことからも、政治家も高をくくっていたのかもしれません。異常な状態が続いていたんです。

 

鈴木:教団との付き合いをやめようとも思わなかったんでしょう。元経産大臣の菅原一秀氏に、統一教会問題を直撃取材したとき、マイクを口元から外して僕の本名と住所を言って「早く家に帰ったほうがいいよ」と脅しともとれることを言われたこともあります。それだけ、統一教会と自民党が密接になってしまっていた。

 

鈴木:今まで教団は、紀藤さんや僕など一部の人間を抑えていれば大丈夫だと思っていたみたいだけど、もうみんなが実態を知ってしまいましたから。河野太郎大臣が統一教会を「カルト」と明言したのも大前進です。

 

紀藤:今後も追及の手を緩めるわけにはいきません。エイト君には統一教会の問題を報じてもらうだけでなく、入手した情報のリサーチなどで助けられてきました。これからもお願いします。

 

鈴木:僕も紀藤さんたち弁護士の方々の後ろ盾があると心強い。がんばります!

 

【PROFILE】

 

紀藤正樹
リンク総合法律事務所所長。統一教会の合同結婚式や霊感商法など、カルト宗教や消費者問題を追及してきた。『カルト宗教』(アスコム)など著書多数

 

鈴木エイト
ジャーナリスト。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。近著に『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)がある

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