ハワイ・マウイ島で先週、職務中に重傷を負い治療を受けていた消防士トレ・エヴァンス=デュマランさん(24)が5日に亡くなったとWAFFなどが報じた。
デュマランさんは大雨の中出動した際、ワイアポ通りの雨水排水口に吸い込まれ、およそ730メートル先の海まで流されてしまった。 HAWAII NEWS NOWは、事故当日は凄まじい勢いの雨が降っており、デュマランさんら消防士たちが浸水を止めようと懸命に働いていたと伝えている。目撃者は「このあたりの流れは激しかったですね。水がとにかく溢れていて、まるで洗濯機のようでした」と語っているという。
救急隊をはじめ、休暇でマウイを訪れていたオハイオ州の消防士も救助に加わり、海から引き上げられたデュマランさんに救命措置を施し、一度は脈が回復。マウイ・メモリアル・メディカルセンターに搬送されて集中治療を受けていたが、5日に息を引き取った。
事故後、治療費を賄うために母親のチェルシーさんが始めたクラウドファンディングには、1万ドルの目標に対し13万5千ドル(約1780万円)を超える寄付が寄せられている。
息子の死後、チェルシーさんはGoFundMeのページにこう綴っている。
「神よ、わかりました。あなたの声がはっきりと、大きく聞こえます。もう交渉の余地はないんですね。司法取引も。それがあなたの計画。もうトレが痛みに苦しまないのならば、私は彼を失った悲しみに一生耐えてみせましょう。
でも神よ、聞いて下さい。あなたは最も素晴らしい魂をお作りになり、母親になる準備もできていない10代の少女に彼をお与えになった。私はその試練に立ち向かった。私はその贈り物を、15歳だった私の心の限界まで、いえ、それ以上に愛していました。
昨日、あなたは贈り物を取り返した。もともとあなたのものだった。それはわかっています。でも、私はこれから毎日、毎日、あなたに私のかわいい坊やをどうかよろしくと泣いて頼むでしょう」