米ニューヨーク在住の資産家トーマス・H・リーさん(78)が23日朝、遺体で発見されたと報じられた。
マンハッタンにあるリーさんのオフィスからの911通報で警官が駆けつけるとリーさんが倒れており、その場で死亡が確認されたという。New York Postによると、遺体には銃創があり、自身で撃ったものとみられるが、現在は死因を確定するために検視が進められているという。
リーさんは企業買収方法の1つであるレバレッジド・バイアウト(LBO)の先駆者として知られており、BBCによると飲料メーカーのスナップル社を’92年に1億3500万ドルで買収し、その2年後に17億ドルで売却して買収額の32倍の利益を得た実績がある。
慈善活動家としても名を馳せており、リンカーン・センターやニューヨーク近代美術館の理事を務めたほか、’96年には母校であるハーバード大学に2200万ドル(約30億円)を寄付し、「私は幸運にもお金を稼ぐことができました。その一部でもお返しすることができればこれほど幸せなことはありません」と当時語っていた。
Forbesによると、’22年のリーさんの資産額は20億ドル(約2700億円)だったという。
家族の友人であり、スポークスパーソンを務めるマイケル・シトリックが以下の声明を発表している。
「家族はトムの死にひどく打ちのめされています。世間は彼を、プライベートエクイティ事業の第一人者として、そして成功した実業家として認識していますが、私たちの知る彼は良き夫であり、父であり、祖父であり、きょうだい、友人であり、そして慈善家でした。常に自分のことよりも他人を優先する人でした」