米カリフォルニア州在住のサセックス公爵ヘンリーとメーガン妃が、先週洗礼を受けた長女リリベットに「Princess」の肩書を付け「リリベット・ダイアナ王女」と呼び始めたことがわかった。合わせて長男も「Prince」の肩書を与えられ「アーチー王子」となったと、The Washington Postなどが報じている。
ジョージ5世が1917年に発行した特許状により、君主の男系の孫には王子または王女の称号が与えられることになっている。しかし、チャールズ国王が即位してから約6カ月、王室のオフィシャルサイト上でのアーチーとリリベットの肩書は「Master」「Miss」のままだった。
ロイター通信によると、サセックス公爵家のスポークスパーソンが3日付で各メディアに送ったメールには、「リリベット・ダイアナ王女がロサンゼルスのジョン・テイラー大司教によって洗礼を受けたことを報告します」と綴られていたという。これを受け、王室側も「追ってWebサイトを更新する」とコメントしたとロイター通信は伝えている。
夫妻の王室との確執は解消されるどころか深まるばかりの昨今。ヘンリー王子は著書『SPARE』で兄ウィリアム皇太子に暴力を受けたことや、キャサリン妃とメーガン妃の確執や対立などを暴露しただけではなく、ある王室メンバーのメーガン妃への人種差別的な言動に対し「正式な謝罪」まで求めている。
王室側は先週、夫妻の英国における住まいだったフロッグモアコテージの明け渡しを要求。置いてある家財を全てカリフォルニア州の現在の住居に送る算段を付けたことが報じられた。また、PEOPLEによると国王夫妻と皇太子夫妻は、リリベットの洗礼式への招待状を受け取っていたが出席しなかったという。これほどまでに緊張状態が続いている最中に、なぜサセックス公夫妻は王子・王女の称号を使い始めたのだろうか。
王室歴史学者のテッサ・ダンロップは英Mirrorの取材に対して、「驚くようなことではありません。予想できたことです。サセックス公爵がいまだに王室とのつながりを貴重だと考えている君主主義者であるということを示す証拠です」と語り、次のように続けた。
「故郷から遠く離れ、2人が自らに課した“流浪”は、英国の君主制の価値を再認識させる役割を果たしたようですね。特にアメリカにおいては。ハリーとメーガンは子どもたちが生まれながらに持つ権利を否定したくない、という理由でこの決定を正当化しています。多くの点でこの動きは予想できました。もし夫妻が本当に王室から解放されたがっていたのなら、公爵と公爵夫人の身分を捨てていたはずです。カリフォルニアのような浮き沈みの激しい世界では、王室のブランドが貴重であることを彼らは理解しています。最近、ハリーは王室の血筋を利用して何百万ドルも稼ぎましたからね。彼が子どもたちの選択肢を拡げたいと考えても不思議ではありません」
王室は5月6日に行うチャールズ国王の戴冠式にヘンリー王子夫妻を招待したが、夫妻側は出欠を明らかにしていない。