「実は寺島さんは昨年末から女優業を休業中なんです。一人息子の眞秀くんの襲名披露が終わるまでは女将業に専念すると聞いています」(歌舞伎関係者)
寺島しのぶ(50)が約半年間も女優業を封印する理由は、5月、東京・歌舞伎座で開催され、市川團十郎(45)も出演する團菊祭。昼の部のトリで寺島の長男・眞秀くん(10)が初代尾上眞秀を襲名し初舞台を踏むことになったためだ。
「2月7日に東京・南麻布のフランス大使公邸で、寺島さんと眞秀くんに加え、夫のローラン・グナシア氏、父・菊五郎さん、弟・菊之助さんも出席して、襲名披露発表会見が行われました。同所での会見は梨園史上初の試みでした。眞秀くんは『いつか、僕とパパの母国のフランスで歌舞伎公演をやってみたいと思います』などと日本語とフランス語を交えて話し、会場を大いに盛り上げていました」(前出・歌舞伎関係者)
それから1週間後の「第77回毎日映画コンクール」で、寺島は自らの今の心境をこう吐露していた。
「自分のことってどうでもよくなっていて……。この間(襲名披露)の会見(の前に)は正直、1回吐いたんです。子供のこととなると、こんなに苦しいんだな、とーー」
寺島の苦悩の背景を、後援会関係者は代弁する。
「寺島さんの悲願は、眞秀くんに歌舞伎界の大看板・尾上菊五郎を継がせること。そのためには菊之助さんの長男で、1歳年下の丑之助くんとの“襲名争い”に負けるわけにはいかないのです」
とはいえ、歌舞伎界の慣習であれば菊之助と彼の息子が菊五郎を継承していくのが一般的だ。前出の後援会関係者は言う。
「寺島さんとしては『菊之助より先に生まれたのは私。それなのに“女だから”という理由だけで、眞秀が将来、菊五郎を継げないのはおかしい』と常々主張しています。そこで、寺島さんは実力で皆が認めてくれるよう、眞秀くんへの英才教育を続けています。梨園では珍しく、名門私立大学の付属幼稚園に通わせました。日本舞踊も2歳のときから習わせ、自ら稽古場への送迎もしています。
寺島さんは『どうする家康』のナレーションを務めていますが、眞秀くんも家康の息子・信康の幼年役で第19回に登場します。ちょうど團菊祭の開催時で、寺島さんの並々ならぬ意気込みを感じます」
寺島には“究極の目標”がーー。
「将来、菊五郎の襲名披露興行を、眞秀くんのもう一つの“祖国”フランスで行うことです。團十郎さんが’07年にオペラ座で公演したことがありますが、襲名披露は初。実現すれば、“團菊”宿命のライバル・團十郎の鼻も明かすことになるでしょう」(前出・歌舞伎関係者)
寺島の執念、どうする團十郎?