「失った信頼は仕事でお返しをしていきたい。今回はマイナスからのスタートだと自分で受け止めていますので、これまで以上に全力を尽くして参りたい」
こう語ったのは、4月9日投開票の統一地方選挙で4選を果たした神奈川県の現職・黒岩祐治知事(68)。当選後の花束を受け取るも「万歳がない異例の形になった」とコメントし、神妙な面持ちで笑顔を見せることはなかった。
黒岩知事は過去3期12年にわたる実績と与野党の推薦を受け、優位な選挙戦を展開してきた。しかし投開票日が間近に迫った5日に飛び出た不倫報道は、世間を大きく騒がせる事態に。
「まず5日夕方に『文春オンライン』で、黒岩氏がフジテレビ局員時代に知人女性と11年にも及ぶ不倫関係にあったと報じられました。黒岩氏は先だって同日午前にブログを更新し、《12年前、急に立候補することとなった際、関係を清算しなくてはと、相手の女性と話し合いをいたしました》と釈明。翌6日には記者会見を開き、改めて不倫を認め謝罪しました。
ですが、黒岩氏の対応は“火消し”とはなりませんでした。文春の記事には不倫相手に送っていたとされるメールが複数掲載され、それが強烈な下ネタのオンパレードだったのです。黒岩氏の“卑猥メール”はネットを中心に拡散し、《もう無理》《気持ち悪い》といった声が続出。フジテレビ時代は情報番組のキャスターを務め、退職後も大学院教授に着任するなど真面目なイメージで通っていただけに、引いてしまった人が多かったようです」(週刊誌記者)
そうした醜聞は、得票数にも表れていたようで……。黒岩知事は今回の選挙で193万3753票を獲得したが、200万票を下回るのは初当選となった2011年以来だ。
「今年は現職の黒岩氏以外に、2度目の挑戦となる共産党推薦の岸牧子氏、政治家女子48党の大津綾香氏、医師の加藤健一郎氏の新人3名が出馬。しかし実績や知名度は黒岩氏に比べて乏しく、得票数も大幅に下回りました。
黒岩氏は2015年の選挙で219万5764票、2019年の選挙では225万1289票と年々得票数が増加傾向にありました。今回の選挙戦では『国をリードした』と自負する新型コロナ対策の実績を掲げ、子育て支援や防災などの面でデジタル活用をアピール。しかし不倫報道による打撃は大きく、“他に入れたいと思う人がいない”との理由から仕方がなく黒岩氏に投票した人や白票を投じた人も少なくなかったようです」(政治担当記者)
200万票を切ったのは、そうした県民の戸惑いが映し出されたのだろうか。ネット上では黒岩知事の“圧勝”に、嘆息を漏らす声が広がっている。
《消去法ですから、、、》
《ここまで後ろ向きな気持ちで投票するのは初めてでした》
《選択肢のない厳しい選挙だった。日本で最悪な選挙だったといってもいい》
《再選と言っても選択肢がなかっただけ。致し方なく黒岩氏になってしまった。支持されたのでも信任されたのでもないから、くれぐれも勘違いをしないでくださいね》