2019年に愛知県で開かれた芸術祭「あいちトリエンナーレ」で物議を醸した企画展「表現の不自由展・その後」。4月12日、芸術監督を務めたジャーナリストの津田大介氏(49)がTwitterで中傷されたとして、作家の百田尚樹氏(67)に400万円の損害賠償を求めた裁判で勝訴したことが明らかになった。
時事通信社によると、裁判長は「他の組織の思うままに利用されたとの印象を与え、社会的評価を低下させる」と判断。百田氏の一部投稿を中傷と認め、30万円の支払いを命じたという。
「同企画展では、過去に展示を断られた従軍慰安婦を表現した『平和の少女像』や昭和天皇の写真を用いた作品などをあえて展示していました。しかし、猛烈な抗議が殺到し、開催からわずか3日間で中止に追い込まれることに。その後、同年10月に再開しましたが、警備強化や事前予約制、動画撮影を禁止するなど厳重警戒のもと開催されました」(社会部記者)
当時、百田氏は津田氏に対する批判として、次のような投稿をしていた(一部抜粋)。
《だいたい、なぜ津田大介みたいな教養も学識も知性も感じられない人が芸術監督なのか? 彼はこれまでに何か成し遂げた業績が1つでもあるのか?》(2019年8月1日)
《津田大介は頭のゆるいただのお飾りなんやから。そやから、韓国人の怪しげな組織に利用されたんや》(2019年8月3日)
《愛知トリエンナーレの事件に対して、津田大介に対する非難の声が大きいが、私は彼は確信犯ではなく、反日左翼に利用されただけだと思う》(2019年8月5日)
その後、2021年1月にTwitterで《昨年の11月、津田大介氏から、名誉毀損で訴えられました。訴状を見て、呆れかえりました》と明かしていた百田氏。結果的に、裁判によって津田氏への批判が中傷と認定されたが、当の本人は重く受け止めていないようだ。