5月8日に発生した銀座・高級腕時計店での強盗事件。高級ブランド店が立ち並ぶ場所かつ、多くの人々が行き交う時間帯での“大胆な犯行”だった。
「事件が起きたのは、まだ日が明るい午後6時20分ごろでした。覆面をつけた3人組がロレックスの専門店に押し入り、店員を刃物で脅しました。バールのような工具でガラスケースを叩き割り、次から次へと高級腕時計をカバンに詰め込むと白いワンボックスカーで逃走。白昼堂々と行われた犯行だったため、一連の様子をスマホで撮影していた通行人もいました」(全国紙記者)
その後、現場から約3キロ離れた港区赤坂の路上で車が見つかり、警視庁は付近のマンションに侵入したとして16~19歳の4人を邸宅侵入などの容疑で現行犯逮捕。車内には強盗事件に使われたとされるナイフやバール、手袋などが見つかっている。
報道によると、強奪された高級腕時計は74個で、総額約2億5000万円相当にのぼるという。さらに驚くべきことは、逮捕された4人は無職の16歳、高校3年生の18歳、職業不詳の19歳、アルバイトの19歳だったのだ。
全員が横浜市在住だが互いについては「面識がない」と供述しており、SNSで募られた“闇バイト”の可能性が指摘されている。
「グループが店に押し入ってから逃走するまで、その時間わずか約2分。彼らのうちの1人が『まだ大丈夫。30秒はいける』と指示していたことが明らかになっています。また、逃走した車はレンタカーでしたが、盗んだナンバープレートが付けられていました。事前に計画した上で犯行に及んだものと見られています」(前出・全国紙記者)
昨年4月に成年年齢が18歳に引き下げられ、事件を起こした彼らのうち3人が“大人”だ。従って、重大な事件を起こせば“重い代償”を背負うことになるという。
「同時期に施行された改正少年法で18、19歳は『特定少年』の枠組みとなりましたが、事件の管轄は基本的に家庭裁判所です。しかし、家庭裁判所が保護処分ではなく刑事責任を負うべきと判断した場合、事件を検察官に送る『逆送』の手続きが取られます。さらに逆送で起訴された場合は実名報道が解禁され、20歳以上と同じ裁判を受けることになるのです」(前出・全国紙記者)
さらに、問われる責任はそれだけにとどまらないという。
「店が計り知れない被害を受けているので、民事で多額の損害賠償が請求されることが予想されます。顔や実名が晒されてしまえば雇用してくれる企業も見つかりにくいでしょうし、収入がなければ賠償金を払うことも困難になります。“闇バイト”の可能性が指摘されていますが、“稼げる”“捕まらない”などの言葉に惑わされて犯行に及んだとすればあまりにも浅はかではないでしょうか」(前出・全国紙記者)
人生を棒に振る前に、踏みとどまることはできなかったのだろうか――。