5月18日に市川猿之助(47)が都内の自宅で両親と倒れているのが発見され、両親が亡くなった事件。徐々に全貌が明らかになり、ひとり生き残った猿之助は、警視庁の調べに対して、両親と「死んで生まれ変わろうと話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と話しており、一家心中を図ったとみられている。
5月3日から28日まで行われる猿之助が主演を務める「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の最中だったため、あわや演目中止かと思われた。ところが20日以降、弱冠19歳の市川團子が昼の部の代役を務めるとの発表が。中1日の稽古で猿之助の代役を務めた團子だが、堂々とした演技に終演時にはスタンディングオベーションが起こり、さらにチケットも凄まじい勢いで売れているという。
猿之助のピンチを救い、自身も所属する歌舞伎界の名門「澤瀉屋」の救世主とも評される團子。いっぽう、その父親である市川中車こと香川照之(57)と猿之助の間には微妙な距離が。
「香川さんは二代目市川猿翁(83)の息子として生をうけましたが、猿翁さんは別の女性と駆け落ち同然の生活を始め、香川さんのお母さんとは離婚。そのため、香川さんは歌舞伎界と距離を置き、ドラマや映画といった現代劇で人気役者としての地位を築きました。’12年6月に46歳で市川中車を襲名したのも、息子である團子さんをいずれ猿之助さんにするため。ドラマや映画ではトップクラスの役者ですが、歌舞伎界ではまだまだ新米。歌舞伎にこだわり研鑽を積んできた猿之助さんに比べると、格下です。
猿之助さんと香川さんはいとこ関係ですし、46歳で歌舞伎界に入った選択をとった香川さんの応援はしているそうですが、猿之助さんは“市川中車に対しては”厳しく接してきました。歌舞伎に対して並々ならぬ思いがある分、“半端な気持ちで歌舞伎に関わってほしくない”という本音もあったのでしょう」(歌舞伎関係者)
実際、猿之助は亀治郎時代の‘12年3月に行われた自身を囲む会で中車襲名をどう思うかと尋ねられたところ、「いや別に……。どうでもないです」「(香川は)あんまり白塗りは似合わないと思います」と公開ダメ出し。
また同年4月のイベント会見では、中車襲名に際し「厳しいスタートでしょうね。僕がテレビに出て感じるのと同じドキドキを感じてほしい」といい、同席していた香川は思わず苦笑していた。
そんな2人の関係をさらにこじらせたのが、’22年8月に発覚した香川の性加害報道だ。本誌6月6日号で、ある後援会関係者はこう話している。
「猿之助さんと香川さんとの間では、香川さんの息子(團子)が五代目として猿之助を継ぐことで話がまとまっているといわれています。そのため、銀座のホステスへの性加害行為が発覚した香川さんに対し、猿之助さんは“澤瀉屋に泥を塗った”として怒り心頭でした」
また猿之助は事件4日前、『スポーツ報知』に掲載されたインタビューで中車と團子について《言えるのは2人とも、まだまだ経験不足ということです。歌舞伎は何より場数を踏むことが大事。(略)厳しい言い方に聞こえるだろうけど、早く使いものになってほしい》と語っていた。
しかし、猿之助をフォローしたのは“後輩”である香川の息子の團子。このいびつな関係の行く先はーー。