大ヒット漫画の実写化第三弾となる映画『キングダム 運命の炎』が7月28日に公開される。同作に俳優の吉沢亮(29)が秦国の王・嬴政(えいせい)役で出演し、子ども時代のシーンも担当することが明らかになった。吉沢は実年齢より20歳も若い9歳のころの嬴政を演じることになり、注目を集めている。
今回の吉沢と同じように、実年齢より若い役を演じる女優も多い。特に大河ドラマではその傾向が顕著に見られる。
11年の『江~姫たちの戦国』(NHK総合)では、当時24歳の上野樹里(37)が6歳の江を演じた。また、主人公の子ども時代が長く、第13回終了の時点でも江は11歳という設定だった。同作には当時44歳の鈴木保奈美(56)も浅井長政に嫁ぐ前の19歳の市役で出演している。実年齢との差はなんと25歳だった。
さらに、同作では江を含む浅井三姉妹の少女期にも子役は使われず、長女で11歳の茶々を当時38歳の宮沢りえ(50)が、二女で10歳の初を当時28歳の水川あさみ(39)がそれぞれ演じている。宮沢は22年の『鎌倉殿の13人』(NHK総合)でも当時48歳で、20歳のりく役を務めた。
上野と同じ江役でいえば、00年の『葵 徳川三代』(NHK総合)で25歳のお江を当時59歳だった岩下志麻(82)が演じている。
また、朝ドラも一人の女性の人生を描くというストーリーの性質上、ヒロイン役の女優が青年期の回想シーンをそのまま演じることが近年増えてきた。
18年の『まんぷく』(NHK総合)に、朝ドラ史上初の“ママ”ヒロインとして出演した安藤サクラ(37)は32歳でヒロイン・福子の18歳時を演じた。クランクインの際には「正直に言いますが、私は32歳の子持ちです。悪あがきしてもしようがない。すみませんと思いながら、18歳を楽しみたいと思ってます。逆に笑っていただければ幸いです」と不安を口にしたという。
また、同作には内田有紀(47)も当時42歳で、福子より10個上の28歳の姉役として出演している。
21年の『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)では、深津絵里(50)が実年齢よりも30歳若い18歳のヒロイン・るい役を務めた。深津は当時48歳ながら、18歳から80歳までを演じきり、ネット上では称賛の声が多く上がった。
大河や朝ドラのほかでも、実年齢より年下の難役を演じた女優は数多くいる。
安達祐実(41)は36歳で17年のドラマ『男の操』(NHK BSプレミアム)に出演し、芸能事務所社長の若かりしアイドル時代の姿を熱演。21年、情報番組に出演した際にそのVTRが流されると、共演していた美保純(62)から「14歳ぐらいに見える!」とべた褒めされている。
安達は同番組内で「しょっちゅうこういうことをやらされるっていうか。いまだに学生服を着たりとか、結構多くて、本当に嫌なんですけど、自分では」と話した。
また、森七菜(21)は19年の映画『最初の晩餐』で、当時18歳で小学生の役に挑戦した。WEBメディアのインタビューで挑戦の理由を語っている。
「実年齢よりも若い小学生の役をやるかどうか。『どうする?』と言われて、でも私はやりたかったんです。映画の中で時が流れて、高校生になってゆくんですけど、小学生時代も体験したほうが、お芝居に厚みが出ると思って。ランドセルを背負ってみて(笑)、『よし、やれそう』って」
演技において年齢の演じ分けは特に難しいと言われている。実年齢よりはるか下の役のオファーがあるのは、確かな実力を備えた女優の証拠なのかもしれない。