10月8日に行われたラグビーW杯フランス大会の1次リーグ最終戦で、アルゼンチンに負けを喫し、姿を消した日本代表。’19年の日本大会に続く「ベスト8」を逃した悔しさが残るなか、’21年4月に引退した元ラグビー選手・五郎丸歩氏(37)の“持論”が波紋を呼んでいる(以下、引用は全て原文ママ)。
五郎丸氏は9日に更新したXで、日本ラグビーフットボール協会の公式アカウントによる松田力也選手(29)のファンに向けたメッセージ動画をリポスト。その際、《日本のラグビー界は日本人キッカーでないと務まらない!彼はそれを最も体現してくれた選手です。お疲れ様。そしてありがとう》と、キッカーを務めたエースに労いの言葉を添えていた。
だが「日本のラグビー界は日本人キッカーでないと務まらない」との主張に、《ん?日本代表は皆さん日本代表 んんん???》《ラグビー日本代表で頑張っている外国人選手への露骨な差別。よくこんなことを拡散できる!》など疑問を抱く声が上がっていた。
その後も《今大会改めて感じたことは、選手やコーチ・スタッフの努力や犠牲心だけでは、ここが限界だということ。大きな仕組みを変えない限りこれ以上の発展は日本ラグビー界にはない》など、率直な感想を綴っていた五郎丸氏。
だが批判が寄せられていたためか、11日にXで400字あまりに及ぶ長文を投稿。’15年のW杯に出場した経験を引き合いに出し、こう釈明したのだった。
《国籍による代表資格ではなく、その国の競技者に代表資格を与えてきたラグビーという競技。だからこそ多様性が求められる社会とラグビー界が交わり認知されてきた部分もある。その中でも外国籍の選手のおかげだけで勝ったと、今でも感じる人はいる。
だからこそ100パーセント日本人である自身がキッカーとして、一選手として、多様なルーツを持つラグビー日本代表で結果を出さなくてはいけないという強い意志をもちW杯を戦った。あれから8年何が変わったのか。まだまだ認知が足りない中で、日本人という文句のつけようのない人間が世界の舞台で活躍し、世の中を少しでも変えてほしいと感じることが差別だとは到底考えられない。
私は常に代表を背負う人間に、国籍やルーツなど関係ないと確信している。自国の代表を選ばず日本を選んだのだから。自分自身の国籍やルーツを、ラグビーという競技を通じて深く考えさせてくれ、多様なルーツを持つ仲間とぶつかり合いながらも一つの目標に歩む喜びをラグビー日本代表は教えてくれる》
今大会では日本代表の選手33人のうち16人が外国出身の選手だった。
「オリンピックやサッカーW杯では、“日本代表=日本国籍を有する選手”と定められています。しかしワールドラグビー(国際統括団体)では、『その国・地域で出生』 『両親または祖父母のうち1人がその国・地域生まれ』『当該国の代表になる直前まで60ヶ月間(5年)連続で居住している』『通算10年以上、当該国に住んでいる』を代表資格の条件に規定。ただ、なかにはリーチ・マイケル選手(35)のように日本国籍を取得している選手もいます」(スポーツ紙記者)
そんな国際色豊かなラグビー界を讃えつつも、同時に“日本人の活躍”を主張した五郎丸。コメント欄には《全くその通りだと思います!》と理解を示す声が上がるいっぽう、異論を呈する声も相次いでいる。
《100パーセント日本人である自身がキッカー これそんな強調するとこなのですか それ以外の選手が聞いたらどう思うんでしょう。人種や民族でなく成果を出せる人がキッカーになればいいとしか》
《この内容にも矛盾がありますし、前回のもそういう書き方ではなかったですよ。「日本のラグビー界は日本人キッカーでないと務まらない!」とは「外国人キッカーでは務まらない」としか解釈のしようがないですから。国籍が関係ないと書きながら、、やっぱり残念ですね。。》
《五郎丸の一連のツイート、外国人頼みだとかこんなの日本代表じゃないとか散々言われ続けてきたことへの反発から来てるのは分かるけど、「100パーセント日本人」「日本人という文句のつけようのない人間」という言葉のヤバさを分かってないのはあかん》
《文章が分かりづらいので、何が言いたいのか100%理解できているかわかりません。ただ、前の発言と合わせて、とてもがっかりした気持ちになりました》