ビッグモーターの保険金の不正請求問題をめぐり、国土交通省は10月13日、立ち入り検査を行った34の工場すべてで違反があったとして一定期間の事業停止処分を行う方針を明らかにした。さらに、必要な検査を一部実施せずに車検を通す不正が確認されたことも発覚。ネット上ではこれまで以上に深刻な“不正車検”問題に注目が集まっている。
「国交省は7月、24都道府県の34工場に抜き打ちの立ち入り検査を行い、不正の有無や内容を調べました。結果、全工場で違反が確認され、整備記録簿への虚偽記載や、顧客の車にわざと傷を付けての点検や修理代金の過剰請求が発覚。さらに、検査の一部を実施せずに車検を通す不正が複数の工場で行われており、悪質な12工場について民間車検場として最も重い“指定取り消し”処分となりました」(全国紙社会部記者)
基本的には2年ごとに受けることを義務付けられている車検は、車が国の定める基準を満たしているかチェックするために行うものだ。この車検が“ザル”だったとしたらどのようなリスクがあるのだろう。
「たとえば、バッテリーやブレーキオイルは約3年、タイヤは4~5年ほどで寿命を迎え、交換が必要になります。劣化した部品をそのまま放置して車に乗り続ければ、事故を引き起こす危険性も。それを防ぐために、定期的に検査して車の状態を安全に保つのが車検です。必要な検査を行わず車検を通していたとしたら、過剰請求や不正請求のような金銭の次元ではなく、命に関わることもあり得る、非常に悪質な不正です」(自動車情報誌ライター)
ビッグモーターについては、今年3月と6月にも、2店舗で民間車検場の指定取り消し処分をうけたが、その際には速度計が正しい速度を示しているかどうかをチェックする速度計の誤差測定を実施していなかった。これらの店舗にとどまらず、多数の店舗で車検不正が行われていたことについて、ネット上では不安の声が噴出している。
《ビッグモーターで車検通した車って普通に走ってるの?もう車検の意味ないじゃん》
《悪質性がものすごく高いような…。人の命がかかっているのに…。もし事故とか起きたら》
《うへ……っつうことは、ビッグモーターで車検通った車は整備上問題があるかもしれんのか……?これが原因で事故起きたら目も当てられんが》
《命に直結する物扱ってるのに、こんなん企業存続させちゃいかんでしょ》
《もちろんそこで車検受けた車は、車検無効やろ?》
自動車事故はその車に乗っている人だけでなく、他の車や歩行者などを巻き込む可能性もある。ビッグモーターの不正は、誰にとっても他人事ではないようだ。